【動画】西海・西海橋 渦潮またぐ優美なアーチ

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渦潮の名所をまたぐ西海橋(手前)と新西海橋。右の佐世保市側には三つの塔からなる針尾無線塔が見える=西海市西彼町

 「潮の勢い岩石を砕くがごとし」。大村藩が江戸期にまとめた「大村郷村記」によると、西海橋が架かる針尾瀬戸(伊ノ浦瀬戸)は航海の難所だった。「陸の孤島」とも呼ばれた西彼杵半島の住民にとって、橋は悲願だった。
 西海橋は1955年、戦後復興事業として5年の歳月と約5億5千万円をかけ完成。長さ316メートル、高さ43メートル。アーチ径間243メートルは当時、北米の二つの橋に次ぐ世界3位。「東洋一のアーチ橋」と報道された。海上に支柱を設けず、両岸から組み上げて、中央で接合させた難工事。携わった若手技術者らは、後の本州四国連絡橋建設などに従事した。
 架橋で「陸の孤島」は一転、長崎と佐世保を最短距離で結ぶ本県の大動脈に。「航海の難所」は渦潮の名所となり、完成の翌年、映画「空の大怪獣ラドン」にも登場。最盛期には遊園地や水族館も開業、観光客でにぎわった。
 2006年、北側に新西海橋が開通。一昨年、「日本の長大橋建設の原点」と評価され、西海橋は国の登録有形文化財になった。創業60年近くになる西海橋食堂の店主、松田三慶さん(84)は「修学旅行以来と懐かしむ客も来店する。人の流れは変わったが、アーチの美しさと豪快な渦潮は今も変わらない」と話した。

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