「カード代が支払えない…」リボ払いか、消費者金融から借金か

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、借金が膨らんでしまったという23歳の女性。来月のカード代を支払うために、リボ払いを選択するか、消費者金融に借りるか悩んでいるといいます。FPの飯田道子氏がお答えします。

奨学金と消費者金融の返済に加えて、リボ払い残高が16万円もあるという悲惨な状態にもかかわらず、引越しをしてしまったため、来月のクレジットカードの支払いが20万円を超えてしまいました。

自分が悪いのですが、来月のカード代が払えそうにありません。消費者金融の限度額は87万円で、まだ枠は残ってはいるのですが、払えないカード代を消費者金融で借りるか、リボ払いにしてしまうか悩んでいます。借金を重ねない方がいいというのはわかっているのですが、どちらかといえば、どちらを選ぶと返済がラクになるのか知りたいです。

<相談者プロフィール>

・女性、23歳、未婚

・職業:会社員

・居住形態:賃貸(一人暮らし)

・毎月の世帯の手取り金額:18万円

・年間の手取りボーナス額:25万円

・毎月の世帯の支出目安:18万円

【支出の内訳】

・住居費:4.5万円

・食費:3万円

・水道光熱費:1.2万円

・教育費:なし

・保険料:親が払っている

・通信費:1万円

・車両費:1万円

・お小遣い:なし

・奨学金返済:1.2万円

・借金返済:3万円

・リボ払い返済:3万円

・その他:なし

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:なし

・現在の貯蓄総額:なし

・現在の投資総額:なし

・現在の負債総額:87万円

-奨学金:16万円ほど(来年4月に完済予定)

-消費者金融:55万円

-リボ払い残高:16万円


飯田:奨学金と消費者金融の返済および、リボ払いを抱えている相談者様。来月のクレジットカードの支払いが20万円を超えてしまったことで、どのように返済するべきかお悩み中です。

現在の選択肢は、消費者金融から追加で借り入れる、もしくはリボ払いに変更するのかの2つにひとつ。どのようにすれば返済がラクになるのか知りたいとのことです。

緊急時での選択はどちらにするべきか?

今、相談者様は、一刻も早く解決方法を知りたいと思っているかと思います。とはいえ、どちらを選んだとしても、借りたお金を返済するためにお金を借りるという、完全なる借り入れスパイラルに陥りつつあります。これは非常事態の今回のみの対応としてくださいね。

現在、消費者金融からは55万円、リボ払い残高は16万円となっています。それぞれ具体的な会社名が不明なので一般的なデータでお話を進めていきますが、消費者金融の金利は概ね17.8%~18%程度。

一方のリボ払いの金利は15%です。現在の借入残高および金利を総合して考えていくと、リボ払いを選択した方が、支払い利息を抑えることができると思います。

相談者様は、毎月、コツコツと奨学金も返済されており、まじめな性格なのだと思います。おそらく、与えられた情報を基にして、よりよいモノ・コトを選択しようと頑張っていらっしゃるのでしょう。問題は、リボ払いが増えた後の行動です。

リボ払いを取り扱っているカード会社によっては、毎月の支払額について相談に乗ってくれることもありますし、支払日を調整してくれることもあります。今まで通りの3万円の支払いでOKなのか、もう少し減額して支払った方が確実に返済できるのか等を考えて、万一、無理だと思うなら、一度、カード会社へ電話をして相談してみてください。

カード会社は、確実に返済して貰える相談ならば、耳を傾けてくれますよ。

賃貸の更新時期は値引き交渉のチャンス

今回は、引っ越しというイベントのために、借り入れが増えてしまったことになります。これからは引っ越しに限らず、今後、迎えるイベントにはどのようなものがあるのかを書き出し、いつ、どれくらいのお金が必要になるのかを考えて、お金を準備しておくようにしましょう。

相談者様はまだ若いので、やりたいことや勉強したいこと、行きたい場所なども多いと思います。それらをいつ行動に移すのか、実現させるためにはいくら必要になるのかを明確にし、計画的に動くことが大切です。

すでに済んでしまった話で恐縮なのですが、引っ越しの理由が家賃の減額のみならば、更新のタイミングで不動産会社さんや大家さんと減額の交渉することをお勧めします。意外と応じて貰えますので、チャレンジする価値は大いにあります。

実際に1ヵ月当たりの家賃が1000円引きになったら、年間で1万2000円の節約になりますし、2000円引きになれば年間で2万4000円の節約になります。今後、更新する際の参考にしてください(私自身、交渉して減額をして貰っています)。

また、相談者様の場合、無駄遣いは一切されていないものの、借入金の支払いがかさみ貯金は難しいかと思います。とはいえボーナスが支給されていますので、ボーナスをやりくりして、お金を貯める習慣を身につけていただきたいと思います。

収入を増やすことはできないか?

フルタイムで働いているために、アルバイトする時間を捻出するのは難しいかもしれませんし、会社でアルバイトそのものが禁止されている場合もあるかと思います。しかしながら、何らかの形で「収入を増やす」ことを視野に入れて行動することも必要になります。

アルバイトが禁止されていないなら、大型連休やお休みの日等のみ単発でアルバイトをする、というのはアリでしょう。その他、最近、注目を集めている自分の得意なことを現金化できるスキルマーケットを利用してもよいでしょう。

もし、副収入を得ることが禁止されているのなら、手持ちの不要なモノをリサイクルショップへ持っていき現金化することを実践してみてください。家の中がスッキリしますし、お金も得られて一石二鳥です。その他に、投資信託等を少額で始めて、運用益を得るなどの方法もあります。投資や金融に関する勉強は、後々役に立つと思いますのでお金を使わなくても勉強だけはスタートさせてもよいかもしれませんね。

カードの支払額が増えて、不安な思いで過ごされていたと思います。これからは無理することがないよう目標を立てて、計画的に行動するようにしてください。

これからの生活において、さまざまなチャンスが訪れると思います。そのチャンスを逃さないためにも、余裕を持つことが必要です。頑張って乗り越えてくださいね。応援しています。

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