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全国に発令された緊急事態宣言の“副作用”は、国民生活の経済的な打撃のみならず、全校休校によって子どもたちの生活をも脅かしているようです。
保育園に預けられている幼児や、親がテレワークしてでも常に家で一緒にいなければならない小学生の話ではありません。
本来なら、自由に遊び回りたい年頃の中高生以上の“ティーンエイジャー”たちです。
<カラオケもやってないし、友達で集まるのも気が引けるので、彼の家にずっと引きこもり>
<バイトできなくなっちゃって、お小遣いもないから、自宅に引きこもってパパ活しまーす>
ネットやSNS上ではこんなコメントも見られるようになりました。
思春期真っただ中の10代の女子が、年上の彼の一人暮らしの家に入り浸ったり、お金目当てでオジさんと付き合うのは、今に始まったことではありません。
しかし、このコロナ禍での半ば強制的な“自粛”によって、本来なら友達同士でつるんだり、外でデートするところが、少人数での引きこもり状態により変わっているようなのです。
結果、自宅にいたくない(いられない)10代女子たちが引きこもる先が、年上の一人暮らしの家だったり、パパが用意したホテルだったりするわけです。
さらにこんなコメントも散見されました。
<コンドームが無くなっちゃって、買いに行くのも自粛するだって…ヤバいよなあ>
避妊無しで性行為に及べば、結果は火を見るより明らかです。
4月18日、関西発の情報サイト『まいどなニュース』で、そんな事態が報じられました
『休校・外出自粛長期化で10代の妊娠相次ぐ…家に居づらく「彼氏の家に」、バイト失い「パパ活」も?』
『まいどなニュース』が取材した神戸市北区の「小さないのちのドア」では、365日24時間行っている相談窓口に、2月末以降、とくに10代の女性から「妊娠したかもしれない」という電話やメール、LINEが相次いで寄せられているようです。
また、10代向け相談支援サービス検索サイト「Mex」を運営する認定NPO法人「3keys」の代表理事・森山誉恵さんに、『まいどなニュース』が実態を聞き出しています。
「元々長期休暇中は性関連の相談が増えますが、ここ最近はとくに、児童買春等の犯罪やデートDV等の性暴力、望まぬ妊娠に繋がってしまう緊張感が高まっています」
今年2月以降の“コロナ自粛”によって、妊娠が増加したという公式なデータは、まだ出ていませんが、いずれ、事実として明らかになってくると予想されます。
これが夫婦間であったり、妊娠を望んでいる恋人同士であれば、喜ばしいことですが、望まぬ妊娠や中絶に繋がる事態は避けなければなりません。
しかし、大人たちが“コロナ自粛”で経済的にも精神的にも息詰まっている中、家庭も社会も彼女たちをフォローできていないのが現実ではないでしょうか。
<マスクだけじゃなく、コンドームも全国民に配布してほしい>
冗談ではなく、そんなリクエストに応える時かもしれません。
自分自身の身は自分で守るしかない…望まないのなら「必ず避妊する」「避妊させる」…そんな現実的なアドバイスこそ、いま、大人や社会が発するべきメッセージではないでしょうか。(文◎編集部)