世界ラリークロス:2021年予定だった電動化を1年延期。新型コロナによる経済不安が影響

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 FIAは4月20日、WorldRX世界ラリークロス選手権の電動化を1年延期することを決定した。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により世界経済の先行きが不透明であることが理由とされている。

 ダート(未舗装路)とターマック(舗装路)が入り交じる特設コースを舞台に争われるラリークロス競技の世界選手権であるWorldRXは以前からシリーズの電動化に腐心してきた。

 最新の計画では電動ラリークロスの専用クラス『プロジェクトE(Projekt E)』を2020年に新設。初年度は従来どおりの内燃機関を積むクラスとは別枠として開催し、導入2年目となる2021年からシリーズ最高峰クラスを電動マシン、内燃機関マシンが混走するクラスとするとしていた。

 しかし、中国・武漢に端を発する新型コロナウイルスの影響で世界経済の先行きが不透明であることを受け、WMSC世界モータースポーツ評議会(ワールド・モータースポーツ・カウンシル)の電子投票が行われ、2021年の電動/内燃機関マシン混走計画を1年延期すると決議した。

 この決定はシリーズプロモーターのIMGやバッテリーやモーターなどの各サプライヤー、電動化計画の協議に参加したチームなども合意しており、シリーズの存続、そしてコストコントロールを優先したものだという。

 FIAのジャン・トッド会長は「現在の状況を踏まえれば、シリーズの電動化を1年遅らせ、参戦するものに投資や電動マシンについての理解を深める猶予を与える必要があると判断した」とコメントしている。

「ただFIAはWorldRXを電動化させ、新たな世界を切り開くべく関与を続ける。シリーズを電動化することで費用対効果の高いチャンピオンシップとなるし、市販される電気自動車に必要な技術開発を促進することができるからだ」

 シリーズプロモーターIMGのポール・ベラミー代表も「世界ラリークロス選手権の電動化を2022年まで遅らせるという決定を支持する」とのコメントを発表している。

「FIAや参戦チーム、シリーズパートナーとともにラリークロスの電動化という未来を目指し続けるが、新型コロナウイルスという未知の困難に直面している状況では、なにより人々の健康と安全が優先されるべきだ」

「なお、現時点では育成カテゴリであるeRXジュニア・チャンピオンシップについては、当初の計画どおり2021年に電動化が果たされる予定だ」

 WorldRXへの電動マシン投入は最初期の計画で2020年予定とされていたが、より多くの自動車メーカーに参戦を検討する猶予を与えたいとして2021年に延期された。今回の延期で2度目の計画変更となる。