【新型コロナに負けない!】休校や外出自粛による昼夜逆転生活 不規則な生活リズムや運動不足の影響は? 山口県立大看護栄養学部の曽根文夫教授に聞きました

【質問】「高校1年生の娘は休校で自宅にいます。夜遅く寝て昼間に起き、一歩も外に出ません。このまま最低2週間は過ごしますが、筋力、体力は落ちないのでしょうか。若いので心配ないですか」

 まなかさん(ペンネーム)から質問メールをいただきました。休校や外出自粛に伴い、活動が制限されることで不規則な生活リズムや運動不足が心配な人も多いのでは? 家の中を中心とした生活が及ぼす心身への影響と対策について、山口県立大看護栄養学部の曽根文夫教授に聞きました。

曽根文夫山口県立大看護栄養学部教授

 外出を自粛して家の中だけで過ごしていると、夜になってもなかなか眠れなくなってきます。運動せずに体が疲れないから寝付けないということもありますが、覚醒と睡眠のリズムを作る体内時計が乱れてくるためです。体内時計は、脳の視交叉上核にあり、朝浴びる太陽の光によって調整されて体全体のリズムを整えていきます。体内時計の時刻合わせには、光が最も大きな影響因子ですが、食習慣や運動習慣も関わっています。体内時計が乱れると、やる気や集中力が低下するだけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めてしまいますので、年齢や性別を問わず、毎日食事を規則正しくとり、昼間に体を動かすことが心身の健康維持にとても大切です。

 数週間にわたり活動が制限されて運動不足の状態が続けば、特に下肢の筋肉は細くなり、筋力や持久力は低下していきます。体力低下を抑えるためには、屋内でもできるスクワット、片足立ち、その場足踏み等の主に下肢の筋肉を使う運動を中心に行い、ラジオ体操等の全身運動を組み合わせるとよいでしょう。人の密集や人との密接を避けながら、公園や自宅周辺をウォーキングすることもおすすめです。歩幅をやや大きくした早歩きを、背中が少し汗ばむ程度まで続けると、体力の向上効果がより一層高まります。

© 株式会社サンデー山口