リモート演奏を動画配信 長崎OMURA室内合奏団

© 株式会社長崎新聞社

長崎OMURA室内合奏団が配信しているリモート演奏の動画の一場面(同楽団提供)

 「コロナに負けるな!」-。威勢のいい掛け声が響き、軽快なリズムで「大村音頭」の合奏が始まる。長崎OMURA室内合奏団(35人)が動画投稿サイト「ユーチューブ」で12日から配信している動画。演奏場所はコンサートホールではなく、団員それぞれの自宅だ。合奏は演奏者が互いに離れた場所にいる「リモート演奏」によるもの。団員が自宅で事前にベースやメロディーなどの演奏を録画し、合成して制作した。同団がリモート演奏をするのは初めて。

 ◆社会を明るく

 同団は、大村市を拠点に活動するプロの室内オーケストラ。県内外の演奏家で構成する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月29、30日の定期演奏会が中止となり、団員は現在、自宅待機を余儀なくされている。
 そうした中、演奏家としてモチベーションを保ち、音楽を通じて社会を明るくしようと、同団運営委員長の亀子政孝さん(42)ら団員4人が中心となり、リモート演奏を企画。4月上旬、同団内で演奏動画の制作を提案したところ、県内をはじめ福岡や千葉のメンバーら計約30人が参加することになった。

 ◆容易ではなく

 リモート演奏はテレワーク演奏とも呼ばれ、「新日本フィルハーモニー交響楽団」がヒット曲「パプリカ」の演奏動画を配信するなど全国的に話題となっている。しかし、亀子さんらにとって初めてのリモート演奏は容易ではなかった。「当初は曲を同時に演奏しようとしたが、遠隔地同士だとテンポがずれてしまい、うまくいかなかった」

 ◆親近感持って

 試行錯誤を重ねた結果、演奏者がメトロノームを使ってそれぞれのパートを演奏し、その録画データを合成。演奏者を同時に画面に映したり、発音タイミングを合わせるなど編集して約1分半の動画を完成させた。亀子さんは「演奏場所が自宅のせいか、メンバーはリラックスした雰囲気。視聴者がクラシックに親近感を持ってもらえればうれしい」と話す。
 選曲は長崎にゆかりのある曲が中心。「大村音頭」に続き20日、「長崎は今日も雨だった」を配信した。今後、「Nagasaki Green&Blue」と、同団が得意とする「ラデツキー行進曲」の2曲を5月6日までに毎週1曲のペースで配信する予定。