対応に追われる保健所、現状訴え職場を撮影 東京・港区

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、相談窓口である保健所では今、相談件数が急増しています。東京・港区の担当者は保健所の厳しい状況を知ってもらおうと、自ら職場の様子を撮影しました。そこには最前線で奮闘する職員たちの姿がありました。

港区の保健所内を撮影した映像には、鳴りやまない電話や息つく間もなく部署内を動き回る職員、デスクに積み上がった大量の書類などが映っています。また、相談の内容も「クラブオーナー 体調悪く入院」「同居するホステスが肺炎」など、六本木や赤坂といった東京都内有数の繁華街を抱える港区ならではのものもみられます。最近は繁華街の関係者に加え、その家族にも感染が拡大していて、原因不明の感染報告も増えているということです。問い合わせ件数も1日に200~250件に上り、4月に入ってからは300件を超えた日もあります。

港区は世田谷区、新宿区に次いで東京23区の中で3番目に感染者が多くなっています。担当者はコロナ対策の最前線である保健所の現状について「相当急ぎの緊急事案以外の業務には基本的に手が回らない状況。コロナの対応だけでも深夜近くまで職員が残業していて、土日もどちらかしか休めない。夜も10時、11時になることが多くある」(大沢鉄也・区長室長)と話しています。そして「現場は必死に対応しているが、これ以上(感染者が)爆発的に増えると必要な人に医療をつなげることが非常に困難になる。一人一人、危機感を持ってほしい」と訴えています。

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