ニスモが日産自動車の医療用フェイスシールドのフレームを製作。3Dプリンタ技術を活用

 世界中で大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス感染症の感染拡大。自動車業界やモータースポーツ業界でも、その技術力を活かして医療現場に貢献しはじめているが、スーパーGT GT500クラスにチームとして参戦するほか、ニッサンGT-RニスモGT500など数多くのレーシングカーを生み出しているニスモでは、レーシングカーのパーツ製作に使用している3Dプリンタを活用して、日産自動車が製作する医療用フェイスシールドのフレームの製作を開始した。

 ニッサンのモータースポーツ活動を担うニスモは、チームとして活動する一方でモータースポーツ用車両やパーツの開発、製作、サーキットでの技術支援を行う。ニッサンのレーシングカーを生み出すコンストラクターとしての面もあり、横浜市鶴見区の広大なファクトリーでは、日々トップクラスの技術が活かされている。

 そんななか、すでに発表されているとおり日産自動車では医療現場を支援するべく、医療用フェイスシールドの製作を行うが、このフェイスシールドのフレーム部分の生産をニスモが担うことになった。フレームは、スーパーGT GT500クラスを戦うニッサンGT-RニスモGT500のパーツを製作するための3Dプリンタを活用して作られる。完成後日産自動車に納品され、医療用フェイスシールドとして組み立てられ医療現場に納品される予定だ。

 ふだんはレーシングカー開発を担うスタッフが今回のプロジェクトに携わっており、製作時には防塵服とマスク、ポリ手袋も着用し、消毒処理を行う等、衛生面に考慮。ニスモとしては医療崩壊を防ぐためにも、従業員全員が感染しないように予防に努めていくとしている。

 F1でもその高い技術力が医療用器具生産に活かされているが、日本でもモータースポーツで培われた技術が新型コロナウイルスとの戦いに貢献していくことになりそうだ。

日産自動車が生産する医療用フェイスシールド
ニスモが製作する医療用フェイスシールドのフレーム
ニスモが製作する医療用フェイスシールドのフレーム
ニスモの3Dプリンタでは、ニッサンGT-RニスモGT500のクーリングダクト等も製作されている。
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