コロナによるプラス面に目を向けよう!現役CAが語る意識の変化

マイナス面ばかりに目を向けない!

新型コロナウィルスにより、減便、運休が相次いでいる航空会社。

 

CA(客室乗務員・キャビンアテンダント)もスケジュールが大きく変わったり、スタンバイばかりになってしまったりと、現場はとてもバタバタしている状態です。

 

先が見えず、フライトが減ることによりお給料も下がってしまい厳しい状況ではありますが、このような状況の中でもプラスのことはあると考えています。

 

ここでは、現役CAの筆者が感じた、コロナによるプラスの面や働き方についての意識の変化についてお話したいと思います。

 

 

コロナで再認識した自己管理能力の大切さ

飛行機という狭い空間で日々不特定多数のお客様と関わるCA。

必然的にコロナウイルス感染のリスクも高いというイメージをお持ちの方も多いかと思われますが、これまでの様子を見る限り、不思議と感染は広がっていません。

それは、CAは日頃から体調管理に細心の注意を払っているからと言えます。

早朝深夜、宿泊も伴う不規則な勤務パターン。国際線だと時差や環境の変化もあります。

また不特定多数のお客様が集まる飛行機内で働くことはリスクがあるとCA自身自覚しています。

今回の新型コロナウィルスに限らず、インフルエンザ、ノロウィルスなどの感染症は毎年流行しますし、機内でその患者が搭乗していた時に対応することもあります。そのため、CAにとって感染症は身近なものとして予防対策が習慣化しているところがあります。

 

そのようなCAの自己管理力の大切さを、今回改めて再認識する機会にもなっています。

 

 

コロナによってCAの働き方はどう変わった?

毎回乗務前に熱を測り、37.5℃以上の熱があったら出社しないという規則の他、少しでも体調に不安があったら乗務しないなど、これまで以上に体調確認を徹底するよう求められています。

 

乗務中はマスクと手袋をし、お客様と密な接触は避ける、お客様の顔色や様子を注意深く観察して、体調の悪いお客様の早期発見と対応、こまめな手洗いと機内の消毒、機内清掃の強化など、一人ひとりができる感染防止対策を行なっています。

 

機内サービスも感染防止の観点から中止や縮小されています。

CA同士は業務上距離を取るということは難しいですが、フライト後一緒にご飯を食べに行くことはなくなり、ステイの時もできるだけ外出はせず、一人でホテルの部屋で過ごすなど、明らかに働き方は以前と変わってきています。

コロナによって高まったCAの団結力とコスト意識

このように、一緒に過ごす時間は減ったものの、それに反比例するように団結力は高まっていると感じます。

 

こんな状況なのでお互いを気遣い、皆でこの困難を乗り越えよう!と、もともと仲間意識の強いCAですが、それがより一層が高まってきていると感じています。

また減便やお客様の減少で、航空会社の経済状態が明らかに悪くなっているということは、誰もが肌で感じています。

 

一人ひとりのコストへの意識がこれまでと比べ物にならないくらい高まっていて、自分のこととしてコスト削減に取り組んでいます。

 

 

これを機にサービス向上への取り組みも

今は機内サービスも制限されている状況だからこそ、その中でお客様に感謝の気持ちを伝えるにはどのようにしたらよいかを考える機会にもなっています。

対面の時間を減らしている分、声と言葉で感謝の気持ちを伝えるため、機内アナウンスを工夫するなど、いつも以上にルーティンではなく工夫しながらフライトをしているイメージです。

 

フライトが減ったことを機にこれまでできなかったサービス訓練などを取り入れて、通常運航に戻った時に備えてCAのスキルを上げる機会にもなっています。

 

現場の状況は確かに厳しいですし、この先どうなるかという不安もあります。ですがCAとしての働き方をもう一度見直す良いきっかけと捉えることができると感じています。

 

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テレワークができない職業だからこそのやりがい

今回の新型コロナを機に、航空業界に限らず様々な業界で働き方の見直しがされています。

 

やむを得ずテレワークの働き方を導入した企業が多いか思いますが、コロナが収束しても引き続きテレワークが導入される企業も多いのではないかと筆者は考えています。

 

航空会社でもオフィスで働く人達は徐々にテレワークに移行していますが、CAなどの現場の仕事はテレワークとは無縁。

 

自動化が進んで人と人が直接関わる機会がこれからどんどん減っていくことが予想されます。

 

その一方で、現場で直接お客様と接するCAはこれからますます重要な役目を果たしていくのではないでしょうか?

お客様と直接接する機会は今後ますます貴重になり、重要な窓口になります。だからこそ、ロボットではない生身の人間だからこそできる仕事が求められる、やりがいのある仕事になると考えています。

 

筆者もいちCAとして、ロボットや機械にはできない、温かみと想像力を働かせたサービスを心がけていきたいと改めて強く思っています。

 

今は大変な状況ですが、ポジティブな側面に目を向け、みんなで一致団結して一日も早く新型コロナウィルスを乗り越えることができるように祈っております。

 

 

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