30球団時代の最多トレードはアスレチックスとブルージェイズ

メジャーリーグ公式サイトのアンドリュー・サイモンは、データサイト「Baseball-Reference」が提供している「Trade History Tool」を使用し、ダイヤモンドバックスとレイズが加盟して現行の30球団制となった1998年以降、トレードを頻繁に行っているチームの組み合わせを調査した。サイモンによると、1997-1998年のオフシーズン以降、最も多くトレードが成立している組み合わせはアスレチックスとブルージェイズで27件だという。

アスレチックスは、1997年10月17日にビリー・ビーンがゼネラルマネージャーに就任。よって、30球団制になって以降のトレードは「ビーンが敢行したトレード」と言い換えることができる。ビーンは限られた資金を最大限に活用してチームの競争力を維持するために数多くのトレードを成立させてきたが、その最大のパートナーとなっているのがブルージェイズだ。

ビーンとブルージェイズのトレードは、1998年7月31日にエド・スプレイグを獲得したのが最初。2001年12月7日にはエリック・ヒンスキーとジャスティン・ミラーを放出して剛腕クローザーのビリー・コッチを獲得し、コッチは翌2002年にリーグ最多の84試合に登板して11勝4敗44セーブ、防御率3.27を記録する大活躍を見せた(ヒンスキーは2002年に新人王を受賞)。

2002年12月15日にはダイヤモンドバックスとレッズを含む4チーム間でのトレードが成立し、アスレチックスはエルビエル・デュラゾを獲得。デュラゾは選球眼と長打力を兼ね備えた好打者としてレギュラーに定着し、2004年には打率.321、22本塁打、OPS.919の好成績を残した。

近年で最大のトレードと言えるのは、4選手との交換でジョシュ・ドナルドソンを放出したトレードだろう。2014年11月28日にフランクリン・バレート、ケンドール・グレイブマン、ブレット・ローリー、ショーン・ノリンとのトレードでドナルドソンを放出。ドナルドソンは翌2015年にMVPを受賞するなど、球界屈指のスター三塁手となった。一方、ドナルドソンに代わる正三塁手として期待されたローリーはたった1年で放出され、ノリンも伸び悩んで今季から日本へ。グレイブマンは2016年に10勝を挙げたが、その後は故障に苦しみ、現在はマリナーズに在籍。期待の有望株だったバレートもメジャーへの適応に苦しんでおり、今季は二塁のレギュラーの座をかけた勝負の年となる。

2015年11月20日にはジェシー・チャベスとの交換でリアム・ヘンドリックスを獲得。ヘンドリックスは移籍4年目の昨季、大ブレイクを遂げ、75試合に登板して4勝4敗25セーブ、防御率1.80の大活躍を見せた。

ちなみに現時点では、昨年5月11日にブルージェイズがアスレチックスからエドウィン・ジャクソンを金銭トレードで獲得したのが最後となっている。ジャクソンは新天地ブルージェイズで登板し、「異なる14チームで出場」というメジャー新記録を樹立した。

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