スペースマーケットと損保ジャパン、スペースシェア利用時の損害を被害者が請求できる「スペースシェア専用保険」を導入開始

シェアリングエコノミー協会が2019年に発表した調査によると、2018年度のシェアリングエコノミー市場規模は推計1兆8,874億円である。2030年には6倍の11兆1,275億円に到達すると予測されている。また、総務省が2018年に発表した「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究報告書」によると、シェアリングエコノミーサービスを信頼して利用するための条件として、6割以上の方が「トラブルが発生した場合に備えたサービス事業者による保証や介入の仕組みがあること」を重視することがわかっている。様々なスペースを1時間単位から貸し借りできるプラットフォームを運営する株式会社スペースマーケットでは、スペースを借りる人(ゲスト)による毀損等が発生した際、従来の保険では賠償責任保険で設計されており加害者からの保険金請求のみが対象のため、加害者を特定できず被害者であるスペースを貸す人(ホスト)が保険金を請求できない事案が発生していた。また、加害者から被害者に対する保険金支払いの請求がされたとしても、書面での手続きが必要となり被害報告から保険金支払いまで時間を要していた。そこで、スペースマーケットと損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)は、スペースシェアの利用で被った損害を被害者が請求できる「スペースシェア専用保険」を共同開発し、導入を開始した。同保険は、シェアリングエコノミーサービスで損害を被った利用者が、事故連絡から保険金請求までの一連の手続きをコミュニケーションアプリ「LINE」で保険会社に連絡できるほか、領収証や損害写真等を郵送することなくチャット上の画像送信で完結できる。これにより、保険金請求から損害の確認、支払先口座登録手続き完了までの期間を従来の2~3週間から最短30分に短縮できるという。

LINEを活用した保険金請求サービス(2020年夏リリース予定)主な補償内容としては、ホスト・ゲスト・シェアリングエコノミーサービス事業者が、サービス利用時または利用後に判明した財物損壊や身体障害による損害、トラブルを解決するための費用が補償される。また、第三者に対する法律上の賠償責任も対象とすることでシェアリングエコノミーサービスに関わるリスクを総合的に補完することができる。スペース利用を通じて何らかのトラブルが発生した場合、損害額について1億円を限度(保険適用されるケースにより上限額が異なる)に補償される。

© 株式会社アールジーン