【新型コロナ】「来ないで」異例の呼び掛けに「複雑。でも仕方ない」  

激しい渋滞が発生した19日の江の島大橋周辺=藤沢市

 藤沢市と市内経済3団体(観光協会、商工会議所、商店会連合会)が22日に発信した江の島への来訪自粛を求めるメッセージを巡り、地元ではさまざまな受け止め方が広がっている。異例の呼び掛けに困惑の声も聞かれるが、屈指の観光都市として緊急事態の早期収束を願う思いは同じだ。

 「まさに今が、新型コロナウイルス感染拡大防止の正念場」。メッセージを発表した鈴木恒夫市長は「自粛要請による経済的な損失は計り知れない。しかし、今は観光より安全を優先すべきだという意識を共有し、断腸の思いで呼び掛けた」と胸中を明かした。

 今夏、東京五輪セーリング競技が開催予定だった江の島。島を挙げ五輪機運の醸成に取り組んでいた中での緊急事態。定番土産「女夫饅頭(めおとまんじゅう)」で知られる紀の国屋本店店主で、江の島振興連絡協議会会長の湯浅裕一さんは「江の島に来てくださいとお願いしている立場なので、複雑な思い。しかし、今は我慢すべきとき、仕方がない」と、「来ないで」と呼び掛ける自粛要請に複雑な胸中を語る。

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