クルーズ船クラスター 長崎市中感染を不安視 周辺店舗は風評被害懸念

 三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊中のクルーズ船コスタ・アトランチカで、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、周辺の店舗は風評被害を懸念している。県の総合相談窓口には感染拡大を不安視する電話が相次いだ。
 同工場近くの食料品店では、乗組員の感染が判明した後から客足が鈍化。店長は「風評被害もあるのでは」と受け止めている。店内の除菌、従業員の体調管理などには以前から取り組んでおり「衛生管理を徹底して地域を支えていく」と口にした。
 県の総合相談窓口には、市中感染を不安視する電話が相次いだ。県民センターによると、相談件数は開設初日の21日に65件だったが、県の自粛要請後も乗組員が乗下船していたことが分かった22日は179件に急増。職員を増やして対応した。23日は134件だった。
 乗組員が下船した経緯や、市民が感染する危険性がないのかを尋ねる内容が大半を占めた。「感染が広がらないように、県はしっかり対策を」と要望する声もあったという。

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