島原の武家屋敷「鳥田邸」 茅ぶき屋根の修繕進む

武家屋敷「鳥田邸」で進められている茅ぶき屋根のふき替え作業=島原市

 城下町の風情を今に伝える長崎県島原市の観光名所、武家屋敷の一つ「鳥田邸」(下の丁)で、茅(かや)ぶき屋根の修繕作業が進められている。「鳥田邸」の全面的なふき替えは、市の所有となった2013年度以降、初めて。
 武家屋敷は1618年に着手した島原城築城の際に、下級武士たちの住居として整備された。市は個人所有の「山本邸」や市所有の「篠塚邸」「鳥田邸」の計3軒を保存し、市民や観光客に公開している。2019年には推計で約4万人が訪れたという。
 鳥田邸の修繕作業は16日から始まり、28日に完了する予定。屋根の北側(約38平方メートル)と西側(約7平方メートル)の茅を新しくふき替え、残りの部分は来年実施する。
 20日は職人5人が、ふき替えた茅をこてで固めたり、刈りそろえたりする作業を進めた。武家屋敷は、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の対象地域拡大を受け、5月6日まで閉鎖中。市担当者は「新型コロナウイルスの終息後には、新しい屋根を見に来てほしい」と話した。

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