注文商品、タクシーが配達 飲食店と客つなぐ試み

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タクシーの横で弁当を手にする隠れ家嘉悦の嘉悦代表=長崎市栄町

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テークアウトに参入する飲食店が増える中、タクシーの貨物輸送が可能になり、注文した人の代わりにタクシーが商品を配達するサービスが長崎市一帯で始まる。収入減に悩む店やタクシー会社と、外出自粛をしている人をつなぐ試み。「タク取り」プロジェクトとして、県内各地の取り組みとの連携も模索している。

 コロナ禍で、県内ではテークアウトを始めた店を紹介するサイトが相次いで立ち上がった。だが、事故の心配などから配達に対応していない店が多く、外出を控えている人には利用しづらい面も。
 3月末、飲食店仲間から相談を受けた市内のピザ店オーナー、安井忠行さん(42)が「運転のプロに任せては」と発案。ラッキーグループと城山交通に協力を呼び掛け、準備を進めてきた。4月21日に国土交通省がタクシーの貨物輸送を特例的に認め、両社が申請し許可を得た。
 同市とその周辺の店を応援しようと有志が立ち上げたサイト「おうちがレストラン テイクアウト長崎」とも連携。近くサイト内でタクシーによる配達について告知する。
 利用のイメージは▽サイトなどで飲食店を探す▽注文時にタクシーでのデリバリー希望を伝える▽注文者がタクシー会社に受け取り代行を要請▽商品代をタクシー会社が立て替え▽配達▽受取時に商品代とタクシー代支払い-の流れ。店がオンライン決済に対応している場合、立て替えは不要。
 22日、同市内で記者発表があり、タクシー会社の代表らが「地域事業者で出来ることを生かしながらニーズに応えていきたい」とあいさつ。同市岩川町の焼き鳥店でテークアウトをしている嘉悦正臣代表(45)は「みなさんが力を出し合い素晴らしい形が出来上がった。お客さまの笑顔のために頑張りたい」と話した。
 今後、県内の持ち帰り紹介サイトをつなぐホームページを立ち上げる構想もあるという。安井さんは「タクシー代の補助を県と長崎市にお願いしていきたい」としている。