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「精力剤入りコーヒーを購入して飲まないように」
タイ保健省食品医薬品局が４月中旬、そんな注意を消費者に呼びかけました。ネット上で販売されているというのです。
精力剤入りインスタントコーヒーについては、先にシンガポール健康科学庁(HSA)が勃起不全治療薬シルデナフィルとタダラフィルの成分が含まれている商品があると警告を出していました。タイ保健省食品医薬品局もそれを受けて、これらの成分が含まれる３つの商品名を公表しています。
１．Kopi Jantan Ali Macca
２．Kopi Panggung Al-Ambiak Natural Herbs Coffee
３．Berry Jaga Chewable Candy
このうち「Kopi Panggung Al-Ambiak Natural Herbs Coffee」のパッケージには「天然薬草精力コーヒー」との日本語まで書かれています。
精力剤入りインスタントコーヒーに含まれる、危険薬物だとされた２種の勃起不全治療薬は、身体に危険を及ぼす可能性があることから、タイでは医師による処方が必須の「特別管理薬」に指定されています。
このうちシルデナフィルはバイアグラの主成分として知られていますが、視神経異常を引き起こし最悪の場合失明のほか、激しい頭痛、不整脈などの副作用があります。
タダラフィルには血管拡張作用があり血圧低下を生じる可能性があることから低血圧の人などに注意が必要な薬物です。
「Kopi Panggung Al-Ambiak Natural Herbs Coffee」製造業者のウェブサイトを確認したところ、住所はマレーシアのケダ州となっています。「天然薬草」とうたうとおり、トンカットアリという樹木の根から抽出した強壮効果のあるエキスが加えられているとされています。しかし検査結果はシルデナフィルとタダラフィルが代わりに添加されていることを示唆しています。
タイ保健省食品医薬品局は、精力増強の効能をこれら商品がうたうことに許可を出したことはなく成分が偽装され健康に被害が出る恐れがあることから、消費者に対してネットなどで騙されて購入しないように注意を呼び掛けています。（取材・文◎赤熊賢）
