DAIWAリールのATDは、ドラグの機能をしっかりと底上げするギミックだった!【今さら聞けない機能解説】

はい! 次のリール、何にするかな〜と、DAIWAのカタログを眺めていたら良く出てくる「ATD」って何? 今さら聞けない「ATD」という機能について解説いたします。

ATDとはAutomatic Drag System(オートマチックドラグシステム)。つまり、リールのドラグに関係する機能!

このATDと呼称されるドラグシステムは、オートマチックドラグシステムというのが正式名称。リールのドラグ機能ってことですね。2015年にDAIWAリールのフラッグシップ機とも言えるイグジストに最初に搭載されて以来、DAIWAのドラグシステムを支える根幹的機能として、各種リールに搭載されています。

2018年のDAIWAへの取材から記事を構成しております。2015年モデルのイグジストより搭載されたATD。

DAIWA ATD解説web

2018年時にDAIWAのリール開発主任を努めていた大玉直也氏を取材した際、このATDのお話のはじめにこんなお話をされていたのを記憶しています。

大玉「実は、登場当初、UTDに比べて使いにくいって言われることが多かったんです」

UTD(アルティメットドラグシステム)とはDAIWAがATD以前に積極的にリールに搭載していたドラグシステムです。ATDというシステムを出してきた以上、UTDより上位互換のシステムであるというのは当然なはずですが、なぜ、使いにくいなんて評価を最初に受けたのでしょうか。

話を進めていくと、それがATDの特徴ゆえの誤解であったことがわかってきました。

ATDの機能を理解して、使いこなす!

ATDはドラグのシステムとしてどんな特徴があるのでしょうか?

大玉「簡単にご説明しますと。ドラグの効き始める設定を仮に1kgにしたとします。UTDの場合は、負荷がその1kgに達すると機能し始めて滑り出します。ATDの場合は、その設定値の少し手前からドラグが効き始めるんです

こちらはDAIWAのwebページから抜粋。ATDは従来のドラグに比べて、効き始めのタイミングが早ことが見て取れる。「スムーズなドラグの効き」と表現することもできる。

ということは、その設定値の少し手前からドラグが効くというのが違和感になっていたのですね。

ん? じゃあそうなると、そのグリスをあとから塗ればいいんじゃない? と思う人もいるかと思いますが、そういう単純な問題でもないようです。安定したドラグ性能を実現するためには、そのグリスを特殊な技術でしっかりとワッシャーに染み込ませる必要があるとのことでした。

ということで、現在DAIWAではUTDをATDにアップチューンするサービスも行っているので、UTD機を愛用しているアングラーで、ATDに興味のあるかたはそのサービスを利用してみるのも良いかと思います。

ATD TUNE DAIWA

ということで、ATDというDAIWAの誇るドラグシステムの特徴について、簡単ですが解説してみました。良いドラグは釣りの強い武器になります。ちゃんと理解すれば、ATDは強い武器になってくれそうですよ! 

オススメのATD機

発表された当時はハイエンドクラスへの搭載のみだったATDですが、現在はミドルクラスはもちろん、普及機にも搭載されていますので、その性能を試すハードルは下がっております! うれしいところですね! スピニング機だけでなくベイトリールにも搭載されているモデルがありますよ。

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