国内最大の風俗街「吉原ロックダウン」 現役コンパニオンが本音「超濃厚接触を拒まずに来る感覚が理解し難い」

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「限界かな」。そう私が感じたのは、3月27日に小池百合子都知事からの週末外出自粛の要請を聞いた時です。当面仕事を休むことにしました。実際「コロナ」が話題になって直ぐに変化は現れたかと。

2月早々からまずは高齢の常連さん方が、パッタリとお越しにならなくなって。でもその頃お店では『コロナ』という言葉は、暗黙の言葉。出勤前日の確認電話で『ご予約少ないですか?』と質問しても店側は、「2月ですから仕方ない……』と、ソープ嬢にコロナを意識させないようにしていましたね。2月半ばにようやく注意喚起の張り紙が控え室に張られ、HPにもお客様に向けて、送迎車や個室の消毒等コロナ対策に余念がない様子が告知されました。

が、本当に消毒してたかは疑問です。

「次亜塩素酸水噴霧器ってなに?」。ある日個室にそんなものまで置かれて、日に日にコロナを意識せずにはいられなくなりました。お店の売り上げも過去最低に落ち込み、予約のお仕事だけ済ませて帰宅するコンパニオンがほとんどとなりました。

なにしろ待っててもフリーで来る方もほぼいなくなり、待つだけ時間の無駄ですから。毎年2月から確定申告が終わるまでは暇ですが、今年は例年の半分も稼げませんでした。

高齢者に続き、家族持ちや仕事上病気をひどく気にする方、地方からのお客様と、どんどん来店を控える人も増えていく中で、何事もないような顔で集客の写メ日記をあげることに、わたしも罪悪感を感じてきました。

三月半ば吉原の目抜き通りは送迎車もほとんど稼働せず、かつて見たことのないほど静まり返っていました。「コロナが怖い!」と、都知事の自粛要請以来、お客様からのご予約のキャンセルも続発、フロントの予定表はほぼ白紙の状態で……。

勿論コンパニオンも一般の予約を取らず、常連様だけ接客可としたり、しばらく店からお休みをもらう人もでてきました。貯金があれば休めますけどね、シングルマザーや訳ありの女性はとにかく仕事を続けるしかなくて、4月半ばの都の要請でお店を閉めるギリギリまで「来てくれたら嬉しいー!」と、半分破れかぶれで出勤していたのかも。

ただ、この頃来るお客様も出勤するコンパニオンも、危機管理の概念があるのかなって? あれだけ騒がれてきてるのに、いくらなんでも超濃厚接触を拒まずに吉原に来る感覚が私には理解し難く。

特に休みにはいると決まってからの駆け込み需要が多かったと聞き驚きました。今はさすがにお店はお休み、コンパニオンも自宅待機かと思いますが……。お店を通さずにお客様とラブホで会う「裏引き」をしてることも容易に考えられますね。

ちょっと先読みする子なんかは、病院は閉まっていないところに目をつけて、コロナ休業時間を利用してサクッと美容整形、腫れや浮腫が引くまでのダウンタイムを自宅で過ごしているかもしれません。今時のソープ嬢はそれくらいタフじゃなきゃ勤まりませんから。(文◎久世素子/吉原某店勤務中)

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