名画に刻まれた画家たちとモデルとの“宿命の出会い”を描いたスリリングな1冊

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月~金曜 17:00~)。3月26日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。

【"中瀬親方”による3月のおすすめ作品】

◆関脇
漫画「マイ・ブロークン・マリコ」
平庫ワカ 著(KADOKAWA)

ガラの悪いOL・シイノは、外回り中に立ち寄った定食屋でたまたま流れていたテレビでニュースを目にし、親友のマリコが自殺をはかったことを知る。マリコの死を知ったシイノは、訪問営業を装って彼女の実家に侵入し、マリコに虐待をしていた父親に包丁を突きつけ、遺骨を奪い去る。生前、海を見たがっていたマリコのためにシイノは夜行バスに飛び乗り、その道中で親友のことを助けることができなかった過去の思い出が去来し……。

中瀬親方のコメント「好き嫌いは分かれると思うんですけど、とにかく(物語の)スピードと勢い、シイノのキャラクターが極端ですごくて、作品の世界に一気に引き込まれてしまう。2回、3回と読み返すとまた味わいが深くて、とても心を持っていかれた作品でした。クリエイターさんたちの間でも話題になった1冊なので、ぜひ一度読んでみていただきたい」

◆大関
映画「エジソンズ・ゲーム」
※新型コロナウイルス感染拡大に伴い公開延期

巨匠マーティン・スコセッシ製作総指揮による話題作。舞台は、電気の誕生によって新時代を迎えようとしていた19世紀のアメリカ。白熱電球の事業化を成功させた天才発明家のトーマス・エジソンは、大統領から依頼された仕事も平気で断る傲慢な男だった。裕福なカリスマ実業家ジョージ・ウェスティングハウスは、"電気”に目をつけてエジソンと手を組もうと声をかける。大量の発電機が必要なエジソンの直流による送電方式よりも、遠くまで電気を送れて尚且つ安い交流による送電方式のほうが優れていると考えていたウェスティングハウスは、エジソンと覇権を争い激突する。

中瀬親方のコメント「私は、エジソンが好きで伝記なども読んでいたのでそこまで期待せずに観たんですけど、めちゃめちゃ面白かったです! (エジソンとウェスティングハウスの)電流戦争は、お互いの駆け引きや裏工作が横行し、ビジネスバトルを制するのは、どっちなのか手に汗握る展開だった。(登場する)男たちのキャラクターがすごくて、実業家を演じたマイケル・シャノンに惚れ込んだというか、ものすごく魅力的で面白い映画でした」

◆横綱
書籍「画家とモデル―宿命の出会い―」
中野京子 著(新潮社)

「怖い絵」シリーズでも知られる中野京子による最新作。リアリズムの巨匠ワイエスは、15年にわたって近隣の農婦をモデルに240点以上もの作品を描き続けていた。ワイエスが91歳で亡くなるまで続いていた彼女との密会をドラマチックに描く。そのほか、生涯独身を貫いた画家サージェントが描いた黒人男性のヌード。ベルギーの画家フェルナン・クノップフは、6歳年下の妹が彼にとってのミューズだった。バロックを代表する1人であるオランダの画家レンブラントが借金まみれになっていくなかで出会った2人のミューズなど……名画に刻まれた画家とモデルの関係を描いたスリリングな1冊。

中瀬親方のコメント「本書では、彼らのほかにも、マルティン・ルターの肖像画を描き続けたクラーナハ、遺伝的疾患である多毛症でつらい思いをしてきた少女に対し情愛をもって描いた女性画家フォンターナの話など、18人の作家の宿命の出会いを綴ったものすごく素晴らしい作品です。知的にも興奮するし、誰かと"どの絵が良かった”と盛り上がれて、これで一晩お酒が飲めるようなすごい作品なので、読まないと損です!」

中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回4月のエンタメ番付は、4月30日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。

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<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月~金 17:00~17:59 <TOKYO MX1> 「エムキャス」でも同時配信(地上波放送エリアを除く)
※放送日は番組表でご確認ください。
メインMC:ふかわりょう(月~木)、原田龍二(金)
アシスタントMC:大橋未歩(月~木)、ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト: https://s.mxtv.jp/goji/
番組Twitter: @gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu

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