海自護衛艦「おおなみ」出航 ソマリア沖海賊に対処

出航する護衛艦「おおなみ」を見送る関係者ら=海上自衛隊横須賀基地

 ソマリア沖アデン湾の海賊に対処するため、第36次派遣海賊対処行動水上部隊として、海上自衛隊の護衛艦「おおなみ」が26日、海自横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出航した。

 出国行事は、新型コロナウイルスの感染予防のため、規模を大幅に縮小。通常は派遣隊員の家族やOBら数百人が見送るが、この日の参列は関係者ら約十人にとどまり、派遣隊員も約1メートルずつ間隔を空けて隊列を組んだ。

 横須賀地方総監の杉本孝幸海将が河野太郎防衛相の訓示を代読し、「アデン湾は国際物流の要。ソマリア国内の貧困など根本的な原因は解決しておらず、引き続き海賊対処に取り組まなければならない」と説明。新型コロナの影響に触れ、「補給地で上陸が認められず、心労がかさむこともあるだろう。万が一の医療態勢を含め、防衛省・自衛隊一丸となってバックアップする」と述べた。

 アデン湾での海賊対処に海自の第1次隊が派遣された2009年3月以降、4千隻以上の船舶を護衛してきた。海賊からの被害を受けた事例はないという。

 第36次隊は、任務を終えて帰港する第35次隊「はるさめ」の後継部隊として出港。隊員数は約190人で、海上保安官8人が同乗する。海自は派遣期間を明らかにしていない。

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