「他国がコロナで弱ってる隙に…」 中国が南シナ海へ勝手に『行政区』を設置し各国猛反発 在日米軍がコロナ感染で日本も危機的状況!

2020年4月18日 中国が発表した南シナ海の新行政区 画像はウェイボより 下記FNN Prime報道

世界中が、中国の武漢から広がった新型コロナにより甚大な被害を受けている最中、中国の共産党政府はこれを利用してアジアで各国への軍事的威圧を強めています。

2020年4月18日、驚いたことに中国政府は「南シナ海に行政区を設置した」と発表しました。

その行政区というのが、この画像です。

南シナ海は中国領だ!?

各国が武漢から広がったコロナに苦しんでいる最中に、南シナ海のほぼ全域を中国領だと主張し、行政府まで設置したのです。

当然ながら、この行政府設置に各国は猛反発しています。

ベトナム政府は発表翌日の4月19日、反発する声明を出し、各国が新型コロナウイルスの感染対策に追われる中で「ほかの国の弱みにつけ込む行為だ」と中国政府を批判し、「ベトナムの主権を侵害する行為に断固として反対する。不当な決定を撤廃し、同様の行為を繰り返さないよう求める」と反発しました。

米国政府も、中国海警局の船がベトナム漁船を沈没させた際に、各国が新型コロナウイルスの感染対策に追われる中、「ほかの国の弱みにつけ込む行為をやめるよう求める」という声明を出しています。

それだけではありません。中国政府は現在、日本にも軍事的威圧を強めています。

日本の領海侵犯も増加中!

中国軍は、中国機による日本への領空侵犯のおそれがある行為を今年1月~3月にかけて増加させ、さらに尖閣諸島周辺の接続水域では、中国公船をほぼ毎日航行させています。尖閣諸島周辺での中国公船による日本への領海侵犯は今年既に7回も引き起こされています。

資料:河野防衛相、中国の軍事的挑発に「極めてけしからん」と強く批判(https://pattayaja.com/2020/04/14/10254/)

その状況の中で2020年4月10日夜、中国軍は空母「遼寧」を中心として、ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦2隻、ジャンカイⅡ級フリゲート2隻及びフユ級高速戦闘支援艦1隻の空母艦隊を、日本の長崎県の男女群島の南西約420キロの海域を通過させました。その後、中国軍の空母艦隊は沖縄本島と宮古島の間の海域を通過して南シナ海に移動、南シナ海での軍事的威圧を強めているのです。

在日米軍では現在、日本の横須賀を母港とする米国海軍第七艦隊の主力空母USS Theodore Roosevelt (CVN 71)が、乗組員多数が武漢ウイルスに感染しグアム基地から動けなくなっています。また、横須賀の原子力空母USS Ronald Reagan(CVN-76)にも感染者が確認されており、戦列に加われなくなっています。

その機を利用し、中国軍は空母艦隊を南シナ海に派遣し、このような行政区主張をしています。

ついに艦隊を出した米軍

米海軍は、このような状況の中でインド太平洋地域での安全を確保し、中国軍を牽制するため、佐世保に配備されたばかりの新型艦の実質空母「USS America(LHA6)」を中心とする艦隊を東シナ海に派遣、臨戦態勢を整えています。

この艦隊は実質空母の最新型強襲揚陸艦のUSS America(LHA 6)を旗艦とし、サン・アントニオ級ドック型揚陸艦USS Green Bay(LPD 20)、ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦USS Germantown (LSD 42)、サン・アントニオ級ドック型揚陸艦USS New Orleans (LPD 18)、ホイッドビー・アイランド級ドック型揚陸艦USS Ashland (LSD 48)で構成されています。この艦隊は南シナ海に既に展開、連日にわたり大規模な演習を行い、中国軍を牽制しています。

このように牽制する米軍と、中国への反発を強める各国に対し、中国は共産党政府系のメディアを使って、中国の支配権の確認が目的だと主張しています。。

自衛隊はどうしているのか?

これについて、日本のFNN Primeは次のように伝えています。

FNN Prime)南シナ海支配、香港弾圧~新型コロナと戦う世界を尻目に中国は着々と影響力を拡大 (2020年4月21日)

https://www.fnn.jp/articles/-/34612

中国共産党系の環球時報(英語版)は、国家戦略分野の専門家の談話として「2地区の設立は、アメリカの軍艦や航空機が頻繁に侵入し、中国の主権に挑戦し、中国の海洋の安全保障を危険にさらしている南シナ海における中国の支配権を再確認することを目的としている」と伝えた。

このように、コロナ騒動の中で中国政府は南シナ海などアジアでの軍事的威圧を強めており、米軍がこれを牽制しています。

また、日本の自衛隊も今月、インド洋沿海のアンダマン海や東シナ海で米軍との合同演習を実施、日本の国防のために米軍と共に、中国を牽制しています。

4月2日、米海軍第七艦隊の新型艦のGabrielle Giffordsと、日本の海上自衛隊の護衛艦てるづきがインド洋の縁海のアンダマン海で演習を実施。

また4月10日には、東シナ海で米海軍の第七艦隊(所属:横須賀)の最新型の実質空母「USS America」(LHA-6)と、日本の海上自衛隊の第1護衛隊群第5護衛隊の護衛艦「あけぼの(JS Akebono)」 (DD-108)とで日米合同演習を実施しました。

資料:アンダマン海で米海軍Gabrielle Giffordsと海自てるづきが日米共同訓練(https://pattayaja.com/2020/04/09/10060/)

また、4月18日には米海軍はミサイル艦のUSS Bunker Hill (CG 52)とUSS Barry (DDG 52)を南シナ海へ派遣し、オーストラリア海軍と合同での演習を実施しました。

このように、コロナの各国への被害につけこもうとする中国政府に対して、アジア全域で、中国共産党政府の侵略を防ぎ、それぞれの国、国民を守るための取り組みが行われています。

日本国民は国防の問題を認識する事が必要

中国の武漢から広がっている新型コロナにより、現在は日本や米国の一般市民にも甚大な被害が出ていますが、同時に米軍にも大きな被害が出ており、在日米軍においても高官も含めて感染者が多く出ています。しかし、このような折も中国共産党政府によるアジアへの覇権主義が止まるわけではありません。むしろ軍事的挑発は高まっており、国防においての危機を迎えています。

日本としては非常に心配される現状となっていますが、多くのメディアがこのような国防の問題を大きく取り上げる事は少なく、国民で議論をする以前に、そもそも多くの日本国民は、このような問題が起きている事を知らない状況にあります。

このように、そもそも知らないからこそ議論すらもしていない事が、日本の国防においての大きな問題ではないでしょうか。(取材・文◎福留憲治【PJA NEWS】)

__*本記事は、筆者が配信責任者を務める以下の
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(タイニュース、パタヤニュースを毎日配信)
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