「新型コロナウイルス」関連倒産 老舗温泉旅館の(有)泉屋旅館が破産開始決定、幾度の危機を乗り越えるもコロナに勝てず

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 (有)泉屋旅館(TSR企業コード:160061237、法人番号:3380002016870、二本松市岳温泉2-8、1979(昭和54)年10月、資本金1000万円、阿部三枝子社長、従業員50名)は4月24日、福島地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には湯浅亮弁護士(弁護士法人鈴木芳喜法律事務所、福島市五老内町6-9、電話024-533-3227)が選任された。
 負債総額は約4億1700万円(2019年4月期決算時点)。

 1904年に創業した老舗の温泉旅館。1993年4月に約34億円を投じて櫟平(くぬぎだいら)ホテルを新築し、ピークの1995年4月期には売上高約12億6000万円をあげていた。以降は客足が伸び悩み、年間売上高は5億円台前半まで落ち込んでいたうえ、設備投資による多額の借入金から資金繰りに行き詰まり2004年10月、民事再生法の適用を申請した。
 その後、2005年5月1日からは新たなスポンサーのもと現体制での運営を開始し、2008年4月期の売上高は約5億8100万円を計上。しかし、2011年3月に発生した東日本大震災ならびに福島第一原発事故の風評被害から、年間売上高は3億円台に落ち込んでいた。
 近年はインバウンドの顧客を積極的に取り込み、2019年4月期の売上高は4億3700万円にまで回復していたが、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を受けて利用客が激減。資金繰りが限界に達し、2020年4月12日に従業員を全員解雇して、今回の措置となった。