身近で感染…どう消毒? 手指が触れる場所を中心に 塩素系漂白剤やエタノール有効

新型コロナウイルス感染防止のための消毒

 猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。もし身近に感染者が出た場合、家庭や仕事場でどう消毒すればいいのか。長崎市保健所に消毒方法や注意点を聞いた。
 県内では長崎、佐世保、諫早、松浦、壱岐、西彼長与の5市1町で計17人の感染が確認されている。各地の保健所は感染者の行動歴を調査。使用した飲食店やホテル、高速船、役場、商業施設などを消毒した。
 長崎市保健所によると、消毒作業は保健所の指導の下、各家庭や施設の管理者が実施する。有効な薬剤は「消毒用エタノール」「次亜塩素酸ナトリウム」(塩素系漂白剤)だ。
 消毒用エタノールは市販されており通常、薄めずに使う。既に品薄状態のため、代替として塩素系漂白剤を薄めて使用できる。
 作り方は(1)感染者が出た場合=濃度0.1%。水500ミリリットルに対し塩素系漂白剤を10ミリリットル(ペットボトルのキャップ2杯)(2)通常の予防の場合=濃度0.05%。水500ミリリットルに対し塩素系漂白剤5ミリリットル(同1杯)を入れる。
 消毒の際は十分に換気してマスク、手袋を装着。ゴーグルなどを目の防護具として、長袖ガウンなどを防護服として身に着ければ感染防止効果は高まる。
 消毒する場所は手指がよく触れるドアノブや手すり、テーブル、椅子、電話機、洗面台や蛇口など。事業所の場合、エレベーターやエスカレーターも必要だ。
 タオルやキッチンペーパーなどに消毒液を含ませ、絞ってから拭く。塩素系漂白剤の場合、金属類はさびやすいため、約10分後に水を含ませたタオルなどで拭き取る。スプレーでの噴霧は、勢いがあり過ぎるとウイルスの飛散や吸引による健康被害の恐れがあるため注意が必要。洋服やじゅうたんなどは変色することもあり、薬剤の説明書を読んでから使用を。感染者が利用した施設は消毒後に使用でき、事業者の判断で活動を再開する。
 長崎市保健所の担当者は「接触感染を防ぐためには手指がよく触れる場所を中心に清潔に保つことが大切。いろんなところを触って目や鼻を触ると接触感染するので注意してほしい」と話す。

 


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