「新型コロナウイルス」関連倒産 日本酒卸の(資)美濃屋支店が破産開始決定、郊外SCなどの台頭により業績が低迷していた

 (資)美濃屋支店(TSR企業コード:200704656、法人番号:5110003001979、長岡市東坂之上町2-3-7、設立1953(昭和28)年10月、代表社員:松本紘明氏、従業員7名)は4月24日、新潟地裁長岡支部に破産を申請し4月27日、破産開始決定を受けた。破産管財人には佐藤明弁護士(弁護士法人一新総合法律事務所長岡事務所、同市旭町2-1-3、電話0258-30-3500)が選任された。
 負債総額は約1億4900万円。

 美の川酒造(株)(TSR企業コード:230001378、法人番号:8110001023543、長岡市)の販売部門を独立する形で設立。日本酒をはじめとする酒類の卸売のほか、一部店頭での酒類、味噌・醤油などの食料品の小売も手掛け、長岡駅近隣の飲食店を中心として販路を築き、ピーク時の1998年2月期には約8億200万円の売上高を計上していた。
 しかし、コンビニエンスストアやディスカウント店、郊外のショッピングモールなどの台頭により、地元飲食店や商店の客足が減り閉店も相次いだことから、売上は減少傾向にあった。2014年には金融機関にリスケを要請して経営改善に取り組んだものの、その後の年間売上高は2億円台にまで落ち込み、業績の回復は見られなかった。
 こうしたなか、2020年2月には代表が入院。さらには、「新型コロナウイルス」感染拡大の影響から、この時期に多かった宴会向けの需要が急減。4月末の決済のめども立たなくなり、事業の継続を断念した。

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