芸術や社会奉仕など、さまざまな分野で功績のあった人を称える今年の春の褒章の受章者が発表され、三重県関係では13人が受章しました。
長年にわたり社会奉仕活動に携わった人に贈られる緑綬褒章に1人、農業や商業などの分野で模範となる技術や功績のあった人たちが対象の黄綬褒章に3人、公共の事業に尽力した人などに贈られる藍綬褒章に9人が選ばれました。
黄綬褒章を受章したのは、名張市で写真スタジオを営む川地清廣さん(73)です。
50年以上の経験で培ってきた写真の構図や光の当て方などの技術を武器に、人の魅力を最大限に引き出せるよう雰囲気づくりや声かけを大切にしてきたといいます。
地元の小中学校などで卒業アルバムの写真を手掛け、スタジオを訪れる家族らの人生の節目を撮り続けてきました。
25年前の阪神・淡路大震災では現地に赴き、被災して結婚式ができなかった夫婦や、火災によって思い出の写真を失った夫婦の姿を撮影するボランティアも行ってきました。
大阪市の専門学校などで後進の育成にも力を入れている川地さん。
一瞬一瞬を映し出し形に残していく写真という文化を守っていきたいとしています。