市街地の車 4割減 長崎、諫早 県警調査 外出自粛影響か

 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて政府は全国的に外出自粛を呼び掛けており、県内でも市街地での交通量や交通事故の発生件数が大きく減少している。長崎、諫早両市の国道では昨年同時期と比較して交通量が約40%減少していることなどが28日、県警への取材で分かった。県警は「新型コロナの感染防止対策で外出を自粛する人が増えたことが一因ではないか」とみている。
 県警交通規制課が長崎、諫早両市の2地点の12時間交通量(26日午前7時~午後7時)を調査した結果によると、それぞれ昨年4月上旬の日曜日の交通量を100%とした場合、26日の長崎市五島町の国道交通量は58.9%。諫早市小船越町の国道交通量は60.9%にとどまり、いずれも約4割減少していた。また、緊急事態宣言が出る前の今年3月1日現在と比較した2地点の交通量はそれぞれ35~38%減少していたという。
 県内での交通事故の件数も減少している。県警交通企画課によると、3月の発生は269件(前年同期比99件減)、死者5人(同2人減)、傷者330人(同139人減、数字はいずれも確定値)。また緊急事態宣言が全国拡大された今月16日から26日までの間、県内で交通事故がゼロだった日が2日あった。この期間における1日の発生件数は平均約6件(暫定値)と、前年の1日平均約10件を下回っているという。
 県警は現在、道路上の電光掲示板で県外への移動自粛などを呼び掛けており、「交通量の減少に伴い事故件数も減少傾向にあり、自粛要請の効果や個人の自己防衛意識の表れだと思われる。不要不急な外出は極力控え、外出の際は交通量にかかわらず十分に事故に注意して運転してほしい」としている。

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