【新型コロナ】ヨットの帆でガウン 医療用代用、横浜のメーカーに注文相次ぐ

ヨットの帆で作ったガウン(ノースセール・ジャパン提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大による医療用ガウン不足に対応するため、ヨットのセール(帆)を使ったガウンの製造をセールメーカー「ノースセール・ジャパン」(横浜市金沢区)が始めた。全国の医療機関や保育所、老人ホーム、動物病院などから注文や問い合わせが相次いでおり、工場をフル稼働にして需要に応える。

 医療現場で使えるように開発したガウンは、薄くて軽い追い風用のセール生地を使用。セールを縫い合わせる技術を応用することで防水性や気密性を保っており、感染防止に役立つことが期待される。

 医療用ガウンが不足する中、厚生労働省は医療用ガウンの代用品の使用を認めることを自治体に通知している。その中で「雨がっぱでも代用できる」との表現があり、同社は培ってきたノウハウを生かせると考え、交流のあるヨット愛好者の医師からアドバイスを受けながら完成。今月13日から本格的にガウンの生産にかじを切った。

 同社のガウンは雨がっぱのような使い捨てではなく、指定の方法で洗浄して再利用できる。使用の可否は、各医療現場で判断してもらうという。

 同社は、セーリング競技の各国代表選手らにセールを提供。今夏の東京オリンピック・パラリンピックが延期となったほか、世界中の大会が中止になりセールの受注が激減していた。

 同社ワンデザインチーフアドバイザーの白石潤一郎さんは「従業員30人の生活と健康を守りながら、私たちなりに社会貢献をしたい」と話している。1着7700円(税込み)。出荷は5月20日以降になる予定。問い合わせは、同社メール(infojp@northsails.com)。

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