FFG 業績予想を下方修正、コロナ影響も想定 2020年3月期

 ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)は28日、2020年3月期連結決算の純利益予想を以前から375億円引き下げ、1110億円に下方修正したと発表した。景気後退局面に備え貸倒引当金の見積もり方法を見直すとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を予防的に織り込んだ。
 これまで貸倒引当金は過去の貸し倒れ実績を基に算出していたが、将来の景気後退を想定。好況時の取り崩しを抑えて信用コストを平準化し、景気変動に左右されにくい貸し出し運営を目指す。同決算では約420億円を計上。FFGは「資金繰り支援など金融仲介機能を安定的で適切に発揮できる」としている。
 さらに、新型コロナウイルス感染拡大の影響も見込んで約90億円を計上。これらにより信用コストは前回予想を約515億円上回る見通しとなり、純利益を押し下げる主因となった。期末配当予想は維持した。

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