オリオールズ・マンシーニ がん治療により今季絶望に

日本時間4月29日、オリオールズのトレイ・マンシーニは、3月中旬に大腸の悪性腫瘍を取り除く手術を受けたあと、初めて公式声明を出し、ステージ3の結腸がんと闘っていることを公表した。「プレイヤーズ・トリビューン」で公開した詳細なエッセイのなかで、友人やファン、チームメイトからのサポートに対する感謝を述べている。

マンシーニは「私はとてもラッキーだ」というタイトルのエッセイのなかで、6ヶ月間にわたる化学療法での治療を開始したことを公表。新型コロナウイルスの感染拡大により開幕が遅れている2020年のレギュラーシーズンだが、開幕することが決まったとしても、マンシーニが今季プレイすることは絶望となった。

スプリング・トレーニング序盤にインフルエンザのような症状を感じたマンシーニは、複数の血液検査を受け、血液中の鉄分濃度が低いことが判明。まだ28歳であることや、これまでに大きな健康問題がなかったことを踏まえ、マンシーニ自身はセリアック病か胃潰瘍のどちらかであると考えていたという。父トニーが2011年に58歳でステージ2の結腸がんと診断されたことはあったものの、マンシーニは自身ががんと闘うことになるとは考えていなかったようだ。

「がんになるには自分は若すぎると思っていた。28歳だからね」とマンシーニ。ところが、内視鏡検査を受けた結果、悪性腫瘍があることが判明し、それを除去する手術を受けることに。さらに、がんが結腸に転移して現在はステージ3。今後は1ヶ月に2回、9月下旬までの6ヶ月で合計12回の治療を受ける予定になっているという。

新型コロナウイルスへの対策として自分で運転して通院しているマンシーニは「野球を再開できるときが来たら、プレイする準備はできている。その前に自分が健康であることをハッキリさせておきたいんだ」とコメント。がんを克服してメジャーリーグの舞台へ復帰することへの意欲を示した。

昨季は154試合に出場して打率.291、35本塁打、97打点、OPS.899という自己最高のシーズンを過ごしたマンシーニ。オリオールズ打線の中軸を担う28歳のスラッガーのもとには、チームの内外から多数のエールが届いている。

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