ゴールキーパーといえばゴールを守るが仕事だ。ところが、ホセ・ルイス・チラベルやロジェリオ・セニのようにPKやFKといったセットプレーを担当しゴールを狙うものがいた。だが、彼らも現役を退いた。
実は世界には意外とセットプレーを担当するゴールキーパーがいる。いつしか足元でのつなぎも自然と求められるようになった現代のゴールキーパー像だが、反面リスク管理からかFKやPKを蹴るような個性的な選手は減ってしまった。だが、2020年の今でもゴールをあげ続けている選手達がいる。
ウーゴ・スアレス(ボリビア)
ボリビア代表8capを誇る選手でボリビア国内の強豪チームであるホルヘ・ウィルステルマン、オリエンテ・ペトロレロなどでプレー経験がある。
代表での得点こそないが、クラブレベルではフリーキックやペナルティキックを担当することがある「ボリビアのチラベル」。
2007、2015年のコパ・アメリカに出場経験があり、1982年生まれながら今でも現役を続けている数少ない昔を知るゴールキーパーである。
愛称は「Chila」。
セバスティアン・ビエラ(ウルグアイ)
スペインのビジャレアルでもプレーしたウルグアイ代表ゴールキーパー。
当時はまだフリーキックを担当することはなかったのだが、コロンビアリーグに移ってからフリーキックを担当するようになった。
2016年6月のミジョナリオス戦ではゴールを決めた際には「長い間、練習してきたんだ。あの位置からのフリーキックには、かなり自信があった」と発言している。
以前はベースボールキャップがトレードマークだったが、自身の不調もありかぶるのを辞めた。
ルイス・デルガド(コロンビア)
ミジョナリオス時代にフリーキックを担当し4ゴールをあげたほか、ドラドス時代の2019年にも38歳にしてゴールをあげている。39歳になった2020年現在もアギラスで現役を続けている。
妻タチアナ・ガルシアを乳がんで失っており、ミジョナリオスの優勝を乳がんに戦う女性へささげた。
彼が面白いのはPKをあまり担当しないこと。キャリア通算であげた6ゴールのうちPKはわずか1つでほとんどがフリーキックによるものだ。
カミロ・バルガス(コロンビア)
同じコロンビアからはバルガスも面白い。これまでに3ゴールを記録している。2011年のミジョナリオス対サンタフェの試合では後半ロスタイムにコーナーキックからヘディングでゴールをあげた。
コロンビア代表として2014、2018年と2度のワールドカップに出場しているだけに知名度もある。他の取り上げた選手に比べてもまだ若く今後の量産にも期待したい。
エステバン・コンデ(ウルグアイ)
ウルグアイの出身でナシオナルなどのほかアルゼンチン、チリでも長くプレーし、2019年からはバンフィエルドへ加入した。
1983年生まれであるが代表デビューは2017年6月のアイルランド戦のこと。なんと34歳であった。
ダヌビオ時代にキャプテンを務めPKも担当、通算で6ゴールをあげている。
ディエゴ・マティアス・ロドリゲス(アルゼンチン)
インデペンディエンテの下部組織出身で、トップチーム昇格後はPKを務めており9ゴールを記録した。
左利きで優れたキックを持ち両足からリベロ的な役割をこなす攻撃的なGK。
2018年にジェフ千葉でプレーしエスナイデル監督のハイライン下で前半戦は守護神を務めた。日本では残念ながら得点をあげることはできなかった。