BTCC:4カ月短期決戦の2020年改訂版カレンダー発表。全9戦に減少で8月開幕を目指す

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権を運営するTOCAは、世界各国のシリーズや大型スポーツイベントの日程などにも配慮した2020年改訂版のカレンダーを発表した。全10戦で構成された通常版から1ラウンド減の9戦開催予定で、8月開幕を目指すことになる。

 15年ぶりにドニントンパークでの開幕が予定されていた2020年BTCCシーズンカレンダーは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を受け、序盤5戦が延期される状況となっていた。

 現時点でイギリス政府の方針により6月末まで全スポーツのイベント開催自粛が要請されているなか、新たな暫定カレンダー発表に踏み切ったTOCAは、7月開催予定のスネッタートンもキャンセルとしリスケジュール。8月末のノックヒル、9月末のシルバーストン国内戦レイアウトのみ日付を保持しながら、可能な限り多くのイベントを開催する方策を採った。

 パンデミック収束の状況次第ながら、プロスポーツが再開可能な場合は8月最初の週末に、やはりドニントンパークで開幕を迎え翌週にブランズハッチ・インディでの開幕連戦に突入。1週空けて、ふたたびオールトンパークとノックヒルでのバック・トゥ・バックが予定される。

 2週間のブレイクを挟み、9月中旬にスラクストンでシリーズを再開すると、当初カレンダーどおりの日程でショートコース版の国内レイアウトを使用するシルバーストン戦を実施。これにより、シーズン前合同テスト“メディアデイ”でも使用されたF1トラック、インターナショナル・レイアウトでの開催を予定していたシルバーストンでのもう1ラウンドが消滅する形となった。

 そして10月にはクロフト、スネッタートンと続き、11月中旬にブランズハッチのフルコース、GPレイアウトでのシーズンフィナーレを迎える予定だ。

3月には開幕延期決定目前でシーズン前合同テスト”メディアデイ”を実施。ただし、インターナショナル・レイアウトでの開催を予定していたシルバーストンでのもう1ラウンドが消滅する形となった

 その他のモータースポーツ・カテゴリーも年度後半に詰め込むように改訂版カレンダーを発表し、テニスの全仏オープン、サイクルロードレースの祭典“ツール・ド・フランス”の度重なるリスケジュールなども考慮して作業を進めたというTOCA代表、BTCCシリーズ最高経営責任者アラン・ゴウは、現状をして「改めてこれらのことは、国全体にとって信じられないほど困難な時期であることを再認識させてくれる」と所感を述べた。

「この作業のすべてを通じて、我々は順応性と実用性の双方の重要性を認識しながら物事を進めてきた。改訂版カレンダー策定に苦しんでいるのはBTCCだけではないからね。したがって計画を策定して暫定的な日付を確保することは完全に論理的な方法であり、今後も状況に応じて修正を重ねることになるだろう」と続けたゴウ。

「明らかに、改訂版カレンダーは多忙な4カ月になることを表している。大きく分けて3つのイベント・ブロックを構成し、とくに最初の5週間で4イベント12ラウンドを消化する計算だ。しかし我々シリーズのチームとドライバーは、この挑戦に完全に適応するだろう」

「BTCCにはとてつもなく大きなエネルギー、熱意、パッションがあり、レースに向かう時は誰もが腕まくりをして臨むはずだ。それと同時にすべての包括的な要素を考慮に入れ、安全な環境を提供するべく適切な手順とプロトコルを完璧に整えることが重要だ」

「8月の開幕を迎えるまでに我々がやるべき最も重要なことは、イベント会場の安全を確保し、ファンやオフィシャル、そしてドライバーやチームクルー、すべての関係者の健康を守ることだと考えている」

BTCCシリーズ最高経営責任者アラン・ゴウは「今後も状況に応じて修正を重ねることになるだろう」と語る

■BTCC 2020年改訂版カレンダー

Round Date Circuit

Rd.1 8月1~2日 ドニントンパーク

Rd.2 8月8~9日 ブランズハッチ(インディ)

Rd.3 8月22~23日 オールトンパーク

Rd.4 8月29~30日 ノックヒル

Rd.5 9月19~20日 スラクストン

Rd.6 9月26~27日 シルバーストン(ナショナル)

Rd.7 10月10~11日 クロフト

Rd.8 10月24~25日 スネッタートン

Rd.9 10月14~15日 ブランズハッチ(GP)

© 株式会社三栄