昼食を無償で提供 地域住民に恩返し ひとり親家庭中心に支援活動 “逆風”の飲食店「自分ができることをしたい」

予約して来店した家庭に昼食を無料提供する小川さん(右)=長崎市、笑幸

 新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛の動きが進む中、ひとり親家庭を中心に子育て世帯を支援しようと、長崎市内の飲食店3店舗が昼食を無料で提供するサービスを開始した。テークアウト専門で、随時実施していく。
 カフェレストラン「みはらマルシェ」(三原2丁目)の店長、浅田優子さん(37)ら有志が企画した。緊急事態宣言など飲食業界には逆風が続くが、普段お世話になっている地域住民に恩返ししようと、余っている食材などを利用して料理を無償で提供することにした。参加店舗はほかに▽笑幸(新大工町)▽バール明(浜口町)-。
 対象は、コロナ禍による経済的影響が大きいと考えられるひとり親家庭が中心。自身も3人の子育て中の浅田さんは「休校で給食がない。外食に連れて行くのも難しい。子どもを預けられず仕事に行けない人もいるだろう」と話す。店では4月30日にサンドイッチを提供。5日にも実施する予定という。
 笑幸では28日、カレーを提供した。小学生の息子と一緒に料理を受け取りに来たシングルマザーの女性(40)は「毎日ご飯をつくるのは大変だが、外食もしづらいので本当にありがたい」と笑顔。店長の小川真さん(52)は「昔は地域で助け合っていた。今、自分ができることをしたい」と語った。
 事前の予約が必要。問い合わせは浅田さん(電095.842.6700)。

 


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