「GWはがまんのウィーク」 緊急速報メールで自粛要請も批判相次ぎ、知事陳謝 県の担当者は「最も効果的」

県民の携帯電話に送られた緊急速報メール。黒岩知事名義で外出自粛を呼び掛けた

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を巡り、神奈川県は2日、携帯電話に災害情報などを一斉送信する「緊急速報メール」を活用し、県内全域に外出自粛を呼び掛けた。午前10時に黒岩祐治知事の名前で「GWはがまんのウイークです」とメッセージを配信。県には「大音量で鳴って驚いた」などの問い合わせが相次ぎ、黒岩知事が謝罪する事態となった。

 メッセージは、家族や友人と観光やレジャーを楽しむ絶好の季節だが「今年だけは違う」と強調。「今は神奈川に来ないでください。できるだけ家にいてください」と自粛を促した。

 配信後、ツイッターなどには「地震かと驚いた」「危機感が失われる。災害以外で使わないで」といった批判が相次ぎ、トレンド上位に「緊急速報」などのワードが並んだ。県にも電話などで多くの「意見」が寄せられたという。

 一連の“騒ぎ”を受け、黒岩知事はツイッターで「事前にお知らせしておくべきでした。驚かせて申し訳ありません」と陳謝した。

 県によると、携帯電話各社が1日から自治体の外出自粛要請で同メールを活用できるようにしたことを受け、配信を決めた。ただ、利用は1度に限られているといい、担当者は「5連休初日で最も効果的だと判断した。県民への要請を確実に届けるには、これ以上のものはない」と話した。

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