胎内被爆者の手記募集 全国連絡会、7月末まで

 原爆投下時に母親のおなかにいた「胎内被爆者」の全国連絡会(胎内被爆者の会)が、被爆75周年事業として胎内被爆者の手記を全国から募集している。7月末まで。12月に出版を予定している。
 同会は2014年に広島で発足。15年に第1集を出版した。今回が2集目で、テーマは「生まれた時から被爆者-胎内被爆者の思い、次世代に託すもの-」。胎内で被爆し、生まれた時から被爆者として過ごしてきた人生を振り返り、子や孫、次世代に訴えたい思いをつづってもらう。
 自身も胎内被爆者で、同会編集委員会の三村正弘さん(74)=広島市=は「(高齢化が進み)10年後、同じように出版できるか分からない。75年の節目を迎えた今、人生を文書として残し、後世に伝えていきたい」と話している。
 同会によると、被爆者健康手帳を持つ胎内被爆者は19年3月末現在、全国に6979人、県内は1498人。関係者によると、胎内被爆者の中には差別に苦しみ、自身の被爆を隠して結婚した人も少なくないという。
 文字数は1600~3200字。会員以外も応募できる。問い合わせは三村さん(電090.7375.1211)。

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