【関連】少年種別が得点源

少年・成年の年別競技得点

 大企業が少なく、成年種別の選手層が薄い長崎県にとって、少年種別は国体の得点源。少年だけの順位でみると、ここ5大会は2018年福井国体を除いて10位台をキープしている。長崎県のジュニアスポーツ関係者の継続した努力に敬意を表したい。
 14年長崎国体から、わずか4年後の福井国体。長崎県は1998年神奈川国体以来、20年ぶりの天皇杯(男女総合)40位台となる41位に終わった。この年の少年勢の競技得点は169.5点。ほか4大会の約半分しか取れていない。これがそのまま40位台転落につながってしまった。
 少年勢でここ5大会すべて入賞しているのは、陸上、バレーボール、レスリング、重量挙げ、ソフトボール、剣道、アーチェリーの7競技。いずれも組織を挙げて熱心に強化、育成に励んでいる競技団体だ。ここ数年はバドミントン、ホッケー、水球も健闘。地道な強化の成果が表れている。
 成年勢がけん引している競技もある。教職員主体の相撲は7年連続入賞中。自衛官で編成する銃剣道は2014年長崎国体から、競技が実施されなかった16年岩手、18年福井、19年茨城を除いて3連覇中だ。他競技の個人種目にも、出場すれば必ず得点を取ってくれる頼もしい選手たちがいる。
 国体選手は基本的に現住所の都道府県代表となる。一方で進学や就職で県外に出たとしても、登録しておけば「ふるさと選手」として出身地から出場可能だ。競技や所属企業によって難しいケースもあるが、各競技団体が有力選手の「ふるさと選手」登録を強化策の柱と位置づけて推進する。加えて、県内企業が社会人アスリートを積極的に採用できれば、成年勢の得点は変わってくる。

岩手国体剣道少年男子決勝で長崎の大将松崎(島原高、左)がV3を決める面を奪う=岩手県二戸市総合SC

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