【新型コロナ】休業要請対象の一部見直し検討 神奈川知事が方針、美術館再開には慎重

政府の諮問委員会に出席後、取材に応じる黒岩知事=4日午前、東京都内

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長を巡り、神奈川県の黒岩祐治知事は4日、休業要請の対象について見直しを含め検討する考えを明らかにした。「基本的にはこれまで通り続くが、精査した上でどういう形が感染拡大防止につながるのか改めて議論したい」と述べた。5日に開く県の対策本部会議で方針を決める方向。

 全国知事会の代表として政府諮問委員会の会合に出席後、東京都内で記者団の取材に応じた。県の休業要請は6日を期限としており、知事は政府の新たな対処方針などを踏まえて内容を精査する意向だ。

 このうち、感染防止策の徹底を前提に全国で図書館や美術館などの利用を可能とするとした政府方針に関しては、「今、再開して大勢の人が来ても困る」と述べ、慎重に判断する姿勢を示した。県立学校の休校を5月末まで続ける方針は、変更しないとした。

 休業要請について、知事は「『1カ月間だから息を止めて我慢してくれ』と言ってきたが、『もう1カ月我慢して』と言うのは簡単ではない」と強調。非公開で開かれた諮問委の会合で、臨時交付金を含む自治体への財政措置の大幅増額を政府に求めたという。

 全国一律の宣言延長は「良かった」と評価する一方、「出口戦略がないと本当に5月末で解除されるのか不安だ」とし、宣言解除の基準も示すよう要求した。

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