妊娠の悩みを電話で 市が「SOSヨコハマ」開設

 妊娠の悩み相談を−。予期しない妊娠に悩む人を支援しようと、横浜市は21日、電話相談窓口「にんしんSOSヨコハマ 電話045(662)5524」を開設し、運用を開始した。妊娠早期からの相談支援を充実させることで、児童虐待予防につなげたい考え。市の担当者は「一人で悩まず、気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。

 市によると、「生理が遅れている」「予期せぬ妊娠で産むかどうか迷っている」「妊娠したが自分では育てられない」など、妊娠や出産、子育てに不安や悩みを抱えた市民が対象。匿名での相談が可能で、妊婦本人に限らず家族や友人なども相談できる。

 運用は民間事業者に委託しており、臨床経験5年以上の保健師や助産師、看護師の相談員が対応。相談者一人一人の置かれている状況を丁寧に受け止め適切な情報提供を行うほか、必要に応じて区福祉保健センターなどの相談支援機関を紹介し、継続的なサポートを受けられるよう支援する。

 市児童相談所における児童虐待の相談・通告受理件数は増加傾向にあり、2014年度は過去最多の4507件。国の調査では、児童虐待による死亡事例の中でも生後間もない新生児や0歳児の虐待死の数が多く、背景に予期せぬ妊娠への悩みや経済、育児面での不安があるとされている。

 相談にかかる費用は無料だが、通話料金は相談者の負担。電話受け付けは毎日午前10時から午後10時まで。市ホームページ(http://www.city.yokohama.lg.jp/kodomo/katei/ninshinsos/)からアクセスできる電子メールでの相談は24時間受け付けている。

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