真珠の核入れ最盛期 一玉一玉手際良く 対馬・浅茅湾

アコヤガイに、真珠の核となる玉を入れる従業員=対馬市、北村真珠養殖大山養殖場

 真珠養殖が盛んな長崎県対馬市の浅茅(あそう)湾沿岸で、真珠の核入れ作業が最盛期を迎えている。養殖場には、一時水揚げしたアコヤガイから潮の香りが漂っている。
 核入れは、母貝となるアコヤガイの卵巣部に、淡水産の貝を球状に削った玉と、真珠層になる成分を分泌するアコヤガイの外套(がいとう)膜を挿入する作業。核入れしたアコヤガイを再び海中に戻すと、1年ほどで厚さ約1ミリの真珠層が玉を包み込むように形成される。
 同市美津島町大山の北村真珠養殖大山養殖場では1日、従業員12人がアコヤガイを傷つけないように手際良く直径7ミリの玉を入れていた。同養殖場では4月上旬から核入れを始め、5月末までに約20万個を作業する予定だという。
 瀬川義信場長(53)は「浅茅湾産の真珠は、深みのある照りが出るのが特長。真珠市場も新型コロナウイルス感染症の影響を受けているが、来年1月からの出荷時には世の中も落ち着いていてほしい」と話した。

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