「綿の栽培に協力を」 小浜・アイアカネ工房が種配布 地産地消でコットン製品作り

綿栽培の協力を呼び掛けている鈴木さん=雲仙市、アイアカネ工房

 自家栽培の藍で染めた綿の衣料品などを作る長崎県雲仙市小浜町のアイアカネ工房が、農薬を使わない綿(オーガニックコットン)を育てる協力者を募っている。無料で配る種を使い、個人の畑や土地などで栽培してもらう。協力者には綿製品で返礼する。新型コロナウイルスの問題が人々の暮らしに影を落とす中、「植物の成長は癒やしと、前を向く力を与えてくれるはず」との希望も込める。

 工房代表の鈴木てるみさん(53)によると、国内の綿製品のほとんどが外国産の綿で作られている。今回の取り組みは、鈴木さんが目指す「国産の綿で糸を紡ぎ、染め、織って布製品に仕上げる」試みの一環。工房近くで商品を販売するアイアカネ商店などで白綿と茶綿の種(1袋各約60粒入り)を配っている。
 工房では敷地内の畑で藍や綿を栽培。近くの農家などの協力もあり、藍は十分な量を確保できているが、綿は不足している。鈴木さんは「海外では有害農薬の使用と児童労働が問題になっている。昔のように国内で地産地消に取り組みたい」と話す。
 種は今月中にまき、9月ごろ開花、10~12月に実が弾けてふわふわの綿が現れる。深めのプランターを使えば庭やベランダでも栽培できるという。問い合わせは鈴木さん(電0957.60.4234)。

白綿(左)と茶綿の種が入った袋

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