【新型コロナ】DV被害、相談しよう 横浜市がチラシ 具体例イラストに

チラシに掲載されているDV被害の具体例

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ドメスティックバイオレンス(DV)が世界で急増する中、横浜市が「市DV相談支援センター」を紹介するチラシを新たに作成した。DVの被害に気付きやすくするため、イラストも使いながら、事例をより具体的に記述している。

 A4判のチラシには、九つの被害例を掲載。「LINEなどのSNSやメールをチェックされる」「裸の写真や動画を無理やり撮られたり、風俗店などで働かされる」など、従来より踏み込んだ表現を採用した。市の担当者は「殴る蹴るという行為以外は『暴力』と気付かなかったり、『性的強要』との言葉だけでは伝わりにくいとの声が相談現場に寄せられていた」と説明する。

 感染拡大で外出自粛が求められ、先行きが見通せずに不安も広がる中、DVが世界で急増している。国連は新型コロナウイルスの陰に隠れたDVの「パンデミック(世界的大流行)」が起きている、と警鐘を鳴らす。

 市も、当初は今月上旬から各区役所などでチラシを配布する予定だったが、DVが増加する懸念が高まっていることから、ホームページやツイッターを活用し、4月中旬から先行配信した。

 市によると、センターに2、3月に寄せられた相談件数自体は前年同期より2、3割ほど減った。

 ただ担当者は「(暴力を振るう)相手が在宅しており、電話しづらくなっている可能性がある」と推測している。

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