一体何が真実なのか!? 山梨コロナ感染女性への”私刑”が過熱の一途をたどる中、情報が錯綜!

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5月2日に新型コロナウイルス感染症の陽性が発表された山梨県出身、東京都在住の20代女性についての情報が錯綜し、ネットが大炎上状態になっています。

この女性は4月26日に味覚・嗅覚の以上があったものの、4月29日に高速バスで山梨の実家に帰省。帰省先でバーベキューや接骨院受診、ゴルフ練習、また4月29日から5月1日まで、特定の男性と複数回接触(この男性はのちにコロナ陽性が判明)。5月1日にPCR検査を受けて2日の午前9時に保健所から陽性の報告を受けた際、「すでに都内に帰宅している」と虚偽の報告をし、その後午前10時に高速バスを使用して東京に戻ったことが報道されています(この虚偽は、この女性の知人が通報したことにより判明)。

今回の大型連休に向け、政府が「都道府県をまたいだ不要不急の帰省や旅行」を避けるよう要請していたなかでの帰省、そしてコロナ陽性が判明したにもかかわらず、嘘をついて公共機関を使用して自宅に帰ってしまったことなどが世間の怒りを買い、女性へのバッシングは加熱。保健所が「実家で暮らす親族も女性と同じ虚偽申告だったので話の中で矛盾点は見つけられなかった」と発表したことから、女性の家族もバッシングの標的に。また山梨県が発表した女性が発したという「飼っている犬が心配だった」という言葉なども、火に油をそそぐ形となっています。

この事件が発覚して以来、ネットの匿名掲示板では、女性のSNSなどを特定する動きが。また女性のTwitterと思しきアカウントが、批判の声に対し「かかって来い」とツイートし、さらに火に油を注ぐことに(そのアカウントは現在削除)。そのせいか5月7日の時点で女性の本名や顔写真、職業、実家の住所といった個人情報が出まわる事態となっています。女性にネットでの中傷が相次いでいることに対し、山梨県は「女性や家族に配慮してほしい」と呼び掛けているものの、その勢いは収まりそうにありません。

そんな中、5月5日には彼女の友人を自称する人物のTwitterが話題に。

その人物は「現在報道されている情報に多くの誤りがあるようですので、修正させて頂きたく思い、ツイートします」と前置いたあと、「東京へ戻った理由は〝犬が心配だったから〟→彼女は東京の自宅で犬を飼っていません。また犬が心配で帰ったなどという発言は一切していません」「味覚障害があった中で山梨に帰省した→彼女はアレルギー性鼻炎や花粉症持ちであり、3月末頃からにおいが分かりにくいことがあったようです。味覚に異常は感じていなかったとのこと。そのことを保健所に伝えたところ、味覚障害、嗅覚障害があった中で山梨に帰省したと報道されました」「陽性だと分かっていて帰省した、東京の知人にも感染させた→29日に帰省しましたが、30日に東京にいる知人がコロナウイルスに感染したとの情報を受け周りから念の為検査を受けることを勧められたそうです。その結果陽性だったと判明しました」「Twitterのアカウントについてです。彼女は近頃Twitterを利用していませんでした。ですが以前利用していた自分のアカウントから写真の流出が起こったため、Twitterのアプリをインストールしログイン、そして写真の削除をしていました。その途中で突然画面の操作が出来なくなり、アカウントが乗っ取られました。その後アイコンを犬の画像に変えられ〝かかってこい〟や〝どう森しようかな〟などの書き込みが勝手にされたようです」

と、彼女が世間の怒りを買っているポイントが間違いであると説明。

彼女の友人だという人物のTwitter

また「彼女は保健所に情報の修正を依頼しましたが、『保健所が把握しているから大丈夫だ』などと言われて、訂正して貰えませんでした」という本当ならかなり問題である情報をツイート。さらに自分が彼女とバーベキューをした人物だと勘違いされ、職場に多数の問い合わせがあったり親戚に無言電話が来たりしていることを明かし「私が本人に聞けただけでもこれだけの誤情報が現在世間に拡散されております。把握出来ていない部分もまだたくさんあると思います」と指摘。最後に「多くの誤った情報が拡散され、彼女だけでなく全くの無関係な方々にまで被害が広がっている現状です。不確かな情報はむやみに拡散しないでいただきたいです」などと訴えていました。

「友人だというTwitterも真偽不明な部分はありますが、もし『犬が心配』という発言が本当に無かったのだとしたら保健所の責任はかなり重いと言えます。彼女の行為は反省すべき点はたくさんあるものの、本人を特定してネットで吊るしあげたり、彼女の周囲の人にまで嫌がらせをするというのは明らかに行き過ぎの行為。今回の彼女の炎上の一因として、山梨県がバーベキューやゴルフ、犬といった情報を公開してしまったのも大きいのでは。第2の彼女を出さないためにも、情報の取り扱いには今後、十分注意すべきでしょう」(週刊誌記者)

憎いのはコロナであって人間ではない。コロナ禍のせいで殺伐とした世の中になってはいるものの、我々はそのことを念頭に置き冷静に行動しなければなりません。(文◎小池ロンポワン)

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