ロイヤルズの本塁打王・ソレアー獲得までの軌跡を辿る

ロイヤルズのホルヘ・ソレアーは昨季、球団記録を大幅に更新する48本塁打を放ち、球団史上初となる本塁打王に輝いた。ロイヤルズが守護神ウェイド・デービスとの1対1のトレードでソレアーを獲得したことはよく知られているが、ソレアー獲得までの過程を辿っていくと、全ては2006年7月にリリーフ右腕のマイク・マクドゥーガルをトレードで放出したことからスタートしている。また、その過程のなかには2015年のワールドシリーズ制覇に大きく寄与するトレードも含まれている。

2006年5月末にロイヤルズのGMに就任したデイトン・ムーアは、2003年に27セーブ、2005年にも21セーブを挙げていた速球派リリーフ右腕のマクドゥーガルを2006年7月にマイナー2投手(ダン・コルテスとタイラー・ラムズデン)とのトレードでホワイトソックスへ放出。これが全ての始まりだった。

それから3年後の2009年7月、ムーアはコルテスとデリック・サイトウの2人を放出し、マリナーズからユニエスキー・ベタンコートを獲得。2010年12月にはベタンコートとザック・グレインキー(プラス金銭)を放出し、ブリュワーズからロレンゾ・ケイン、アルシデス・エスコバー、ジェレミー・ジェフレス、ジェイク・オドリッジの4人を獲得することに成功した。

さらに、2012年12月にはオドリッジ、パトリック・レナード、マイク・モンゴメリー、ウィル・マイヤーズの4人を放出し、レイズからウェイド・デービス、ジェームス・シールズ、後日指名選手(エリオット・ジョンソン)の3人を獲得。これにより、2015年に世界一となった当時の正遊撃手(エスコバー)、正中堅手(ケイン)、セットアッパー(デービス)がチームに揃うこととなった。

そして、ワールドシリーズ制覇から1年後の2016年12月、ムーアはセットアッパーからクローザーとなっていたデービスを放出し、カブスからソレアーを獲得。伸び悩みが続いていたソレアーとの1対1のトレードでデービスを放出したことには批判の声もあったが、ソレアーは移籍3年目にして飛躍を遂げ、期待に応えた。

以上がソレアー獲得までの過程である。ムーアがGM就任直後にマクドゥーガルを放出したことが、2015年のワールドシリーズ制覇と2019年の球団史上初の本塁打王誕生につながった。

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