家賃滞納の言い訳に「コロナ感染し隔離」 うそをつかれた警官隔離、交番消毒

虚偽申告により、消毒作業を余儀なくされた戸部署野毛山公園交番=横浜市西区

 警察官に対し「新型コロナウイルスに感染している」などとうそをつき、業務を妨害したとして、神奈川県警戸部署は8日、軽犯罪法違反の疑いで、横浜市西区の無職の男(25)を書類送検した。調べに対し、容疑を認め「世間がコロナウイルスで大騒ぎになっているのを利用した」などと供述しているという。

 署によると、男に対応した警察官が勤務していた同区内の交番を感染拡大防止のために消毒する事態となり、半日以上にわたり交番機能の停止を余儀なくされたほか、警察官には隔離措置が取られ、一時的に勤務できなくなった。署は事案が悪質で、影響も大きかったとして起訴を求める厳重処分の意見を付けた。

 書類送検容疑は、4月8日午後2時50分ごろ、横浜市西区のマンション通路で、署地域課の男性警察官に「コロナの症状があり、隔離されていた」などと虚偽の申告をし、県警に感染拡大防止のための措置を取らせて警察業務を妨害した、としている。

 署によると、男が居住するマンション関係者から「連絡がつかないので、安否確認に立ち会ってほしい」と連絡があり、警察官が向かったという。男は家賃を滞納していたといい、入金できない言い訳として、コロナウイルスへの感染で隔離されていた、とのうその申告をしたとみられる。

 男は、ネット上で依頼を受けた人の代わりにゲームをプレーし、レベルを上げて稼ぐ代行業をしていたと説明、「外出自粛でゲームをする人が増え、仕事が減った」などと話しているという。

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