ジャン・トッド会長が日本のモータースポーツ界へエール「団結を固持し、ともに新しい未来を築こう」

 JAF日本自動車連盟は5月8日、FIA国際自動車連盟のジャン・トッド会長が国内モータースポーツ界に宛てたビデオメッセージをTwitter(@jaf_motorsports)とFacebook(@jaf_motorsports)で公開した。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な感染拡大によって国内外のモータースポーツイベントが延期や中止となっているなか、JAFでは先月からモータースポーツファンや参加者、関係者が気持ちをひとつにして、この難局を乗り越えようという思いを込めたSNS企画『#モータースポーツのチカラ』を実施している。
 
 この企画には元F1ドライバーの鈴木亜久里や片山右京をはじめ、JRP日本レースプロモーションの倉下明代表、GTアソシエイションの坂東正明代表、そのほか国内外で活躍するの現役ドライバーなど多くのレース関係者が参加。毎回、参加者ひとりのビデオメッセージが発信されている。今回公開されたトッド会長のビデオメッセージはその一環のひとつだ。

 約2分に及ぶFIA会長のメッセージは、コロナ禍によって各シリーズの開催が延期となっている日本のモータースポーツ界を応援するもの。その最後には“Keep alive the Spirit of motor sports.(ともにモータースポーツ精神を貫きましょう)」というエールが送られている。

 ジャン・トッド会長のビデオメッセージ全文は以下のとおりだ。

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親愛なるJAF会長、藤井一裕様
日本のモータースポーツを愛する皆さまへ

COVID-19によるパンデミックにより生み出されたこの新しい現実のなか、これだけは皆さまに知っておいていただきたいのです。

FIAはあなた方とともにあります。そして、これからもできる限りのサポートを提供させていただきます。

ご存知のように、これは前例のない身体への危機があるだけでなく、経済的にも、財政的、社会的、政治的、そして人類としての危機であり私たちは皆、同じように苦しんでいます。

スーパーGT、スーパーフォーミュラ、全日本ラリー選手権をはじめとする多くの日本国内レースだけでなく、F1、WRC世界ラリー選手権などのFIA世界選手権もすべて、残念ながら延期またはキャンセルとなりました。

もちろん大会の開催は、日本のモータースポーツ・コミュニティにとって不可欠なものです。

また、モビリティの世界で言えば数十億によるロックダウンは『一般ドライバーや道路ユーザーにサービスを提供する』というモビリティの本来の役割とは真逆な状況に置かれています。

しかし希望を失ってはなりません。私たちはこれまでにも多くの困難な状況を克服してきましたし、今後もないとは言い切れません。

このような状況のなかでも我々がともに生み出すイニシアチブ、それこそが私たち共通の目的に向かっていること、その揺るぎない絆の証と言えましょう。

ウイルスとの世界的な戦いのなか、日本がこれまでに成し遂げた成果を祝福したいを思います。

引き続き団結を固持し、決して諦めないこと。それこそが、このかつてない困難をも乗り越える秘訣となります。そして私たちはともに、新しい未来を築くのです。

あきらめないで。

ともにモータースポーツ精神を貫きましょう。

ステイ・セーフ

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