さいか屋横須賀店、来年2月閉店 業績回復見通し立たず 1928年開店、三浦半島唯一の百貨店

2021年2月での営業終了が決まったさいか屋横須賀店=横須賀市大滝町

 中堅百貨店のさいか屋(川崎市川崎区)は8日、横須賀店(横須賀市)を2021年2月で閉店すると発表した。同日開催の取締役会で決議した。同店は1928年に開店して以来地元に親しまれてきたが、2017年2月期以降は赤字が恒常化していた。同社は「業績回復の見通しが立たず、苦渋の決断ではあるが閉店することとした」としている。

 現在の横須賀店は新館(地下1階、地上6階)と南館(地上6階)で構成され、店舗面積は1万9343平方メートル。従業員は134人(今年2月末現在)。売上高は1992年2月期の368億円をピ-クに減少が続き、2010年には「大通り館」を閉鎖していた。直近の20年2月期の売上高は65億8583万円だった。

 閉店後の土地・建物の利用方法については未定。一方、閉店後も横須賀地区でサテライト店舗の開設などを検討していくという。

 同社は近年、売り上げが低迷し赤字が続いている。20年2月期連結決算は、売上高が184億3100万円(前期比4.9%減)、純損益が1億3千万円の赤字(前期は1億4500万円の赤字)だった。今後、基幹店の藤沢店に経営資源の投下を行うとしている。

 閉店に伴い、35歳以上の全社員を対象に120人程度の希望退職者を募り、希望者に対して再就職を支援するという。

◆横須賀の商業のシンボル、非常に残念 横須賀市・上地克明市長

 三浦半島唯一の百貨店であり、横須賀の商業のシンボルとして長い歴史を築いてきたさいか屋横須賀店が閉店することは非常に残念。私自身も幼少のころの休日の一番の楽しみは、おしゃれをして親に連れられさいか屋に買い物に行くことだった。多くの人々に愛されてきたさいか屋が、その幕を閉めることに大変寂しい思いがある。市としては従業員の皆さんが速やかに再就職がかなうよう、可能な限りの支援をしていきたい。

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