新型コロナウイルスの問題により今季のプレミアリーグは中断されており、最悪の場合はこのままシーズンが終了する可能性もあると言われる。
ただすでにリーグの趨勢は決しており、残りは数試合。多くの選手が素晴らしいパフォーマンスでファンを沸かせてきた。
今回は『Squawka』から「今季のプレミアリーグで最も素晴らしかったMFベスト10」を紹介する。なお、後半戦があまりに短かったため冬に加入した選手(具体的に言えばブルーノ・フェルナンデス)は対象になっていない。
10位:トッド・キャントウェル
クラブ:ノリッジ・シティ
重要なデータ:キャントウェルは今季のプレミアリーグで6ゴール。これは全チームのMFの中で3番目に多いものだ。
残留争いをしているノリッジの運命がどうであれ、一部の選手が輝いたことは事実だ。それはマックス・アーロンズ、エミリアーノ・ブエンディア、テーム・プッキ、そしてトッド・キャントウェル。
キャントウェルには現在リヴァプールが関心を寄せていると言われるが、彼は様々な役割を果たせてゴールへの鋭い目を持っている選手である。クロップが興味を持つのも理解できるようなタレントだ。
9位:フレッジ
クラブ:マンチェスター・ユナイテッド
重要なデータ:今季プレミアリーグで30以上のタックルとゴールチャンスを作った。マンチェスター・ユナイテッドでは彼のみだ。
大きな額で獲得された後、イングランド・プレミアリーグに馴染むことができずに苦しんだフレッジ。ところが今季はオレ・グンナー・スールシャール監督の忍耐が実り、そのキャリアを見事に復活させた。
ボックス・トゥ・ボックスのMFとして上手く馴染んでおり、その力強さとエネルギーがクラブの基礎となっている。ロイ・キーンやポール・スコールズ、マイケル・キャリックらの影を払拭するにはまだ時間はかかるだろうが、彼の未来は昨年よりずっと明るく見える。
8位:オリヴァー・ノーウッド
クラブ:シェフィールド・ユナイテッド
重要なデータ:ファイナルサードでのパス数は313。これはプレミアリーグのMFの中では最も多いものだ。
マンチェスター・ユナイテッドの下部組織で育成されたノーウッド。トップチームでは全く出番を与えられないまま放出されたものの、下部リーグでそのキャリアを加速させた。
好調なパフォーマンスを見せているシェフィールド・ユナイテッドで過小評価されているノーウッドは、一貫性のあるプレー、そして決定機に絡む安定感が素晴らしい。今季プレミアリーグの全試合に出場してきた。
7位:マテオ・コヴァチッチ
クラブ:チェルシー
重要なデータ:対人戦の勝利数は69。これはプレミアリーグのセントラルMFの中で最も多い。
2018年の夏にレアル・マドリーからローンでチェルシーへとやってきたコヴァチッチ。1年目のパフォーマンスは決して全員に買取を納得させるものではなかったが、今季のプレーを見ればそれは正解だったと言える。
フランク・ランパードが率いる今季のチェルシーでは中盤のタレントが豊富であるが、これまで今ひとつ一貫性がないと言われてきたコヴァチッチが最も安定しているのが印象的だ。それは同じポジションの「先輩」でもある監督のトレーニングの成果でもあるだろう。
6位:ジョルジニオ・ワイナルドゥム
クラブ:リヴァプール
重要なデータ:パス成功率は90.9%を記録。これはリヴァプールで最も高く、プレミアリーグではマンチェスター・シティのオタメンディ、ロドリ、ギュンドーアンに次ぐ4位の数値である。
過小評価も過大評価もされなくなり、ジョルジニオ・ワイナルドゥムは現在ヨーロッパで最も優れたセンターハーフの一人としてしっかり認識される様になった。
フェイエノールトでややワガママな選手として知られていた彼が、ニューカッスルでの苦しいシーズンを経て成長し、そしてリヴァプールでこのような実直なプレーヤーになった…というのは感慨深いものがある。
5位:ジェームズ・マディソン
クラブ:レスター・シティ
重要なデータ:マディソンは今季のプレミアリーグで68回のシュートを放った。これはMFとして3位の数字となっている。
マディソンはおそらく今季のレスターが上位に進出できた理由の一つである。止まったボールを蹴ることにかけては天才である彼は、プレミアリーグのクリエイターとしての地位を確立。マンチェスター・ユナイテッドからの関心も大きな話題になった。
もちろんそのような噂が出てきたのは彼の功績あってのもの。ゲームを組み立て、チャンスを作り、自らゴールを狙う。攻撃的MFとして必要なものをすべて備えている。
4位:ウィルフレッド・エンディディ
クラブ:レスター・シティ
重要なデータ:今季のプレミアリーグのMFで最も多いタックル数(92回)、インターセプト数(61)を記録している。
マディソンがレスターのエンジンならば、エンディディはブレーキだ。彼は中盤の重要なフィルターであり、チーム全体を調和させるための接着剤とも言える。レスターは彼を膝の怪我で欠いた5試合で2ポイントしか取れなかった。
大柄な体格に加えてスピードも豊かで、テクニックにも優れている。彼がいるだけで周りの選手が数レベルうまくなるようなタイプであり、どのクラブも欲しがる存在である。
3位:ジャック・グリリッシュ
クラブ:アストン・ヴィラ
重要なデータ:欧州5大リーグの中で最も被ファウル数が多かったのがグリリッシュ。127回ものセットプレーを獲得した。
若くして才能を見せていたグリリッシュであるが、数多くのトラブルで「問題児」としてのレッテルが付いてしまった。そのまま消えるかとも思われたが、2部での戦いを経て落ち着きを手に入れ、24歳でキャプテンも務める信頼性の高い選手に。
今季のプレミアリーグで彼は57回のオープンプレーでのチャンスを形成した。これはプレミアリーグで2位となる数字であり、イングランドの選手としてはトップ。もちろん代表チームにも定着しておかしくないプレーを見せている。
グアルディオラ監督も「彼は常に何かを創造してくる選手だ。卓越している」と高く評価する。また、育ったアストン・ヴィラが2部に降格しても残留し、プレミアリーグ復帰に貢献したという「熱さ」も魅力だ。
2位:ジョーダン・ヘンダーソン
クラブ:リヴァプール
重要なデータ:リヴァプールで出場したプレミアリーグ最後の39試合で無敗。35勝4分けとなっている。
欧州王者のキャプテンであり、リーダーであり、そして間もなくレジェンドになる。リヴァプールではおそらくプレミアリーグを30年ぶりに優勝し、ジェラードも成し遂げられなかったことを達成する。おそらくPFA年間最優秀選手も獲得するだろう。あるベルギー人選手は「個人賞なのに…」文句を言いたくなるかもしれないが。
彼の飛躍は「選手をあまりにもかんたんに切り捨ててはいけない」という証明だ。決して目立つ選手ではないし、すぐにインパクトを残したわけでもない。ただ彼はチームの中で役割を見出し、「自分は何をすべきなのか」ということに集中できる選手だった。その成功はもちろんユルゲン・クロップの助けがあってこそだ。
世界に数多く眠っているであろう「次なるヘンダーソン」が、彼の台頭に勇気を貰ったはずである。
1位:ケヴィン・デ・ブライネ
クラブ:マンチェスター・シティ
重要なデータ:今季のプレミアリーグで最もチャンス創出数が多かったのがデ・ブライネ。それは96回に達し、他の選手を大きく上回る。
デ・ブライネは今季最高のミッドフィルダーであるだけではなく、間違いなく最高の選手であった。ベルギーから来たクリエイターはただただ別のレベルにあり、まるで脳と足が直結しているような速度と正確性とアイデアを見せた。もし時間を一時停止する能力があっても、彼のようなパスを送るのは難しい。
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マンチェスター・シティはもちろんすでにリーグ優勝することは不可能に近い。だがデ・ブライネのプレーはマンチェスター・シティが来季間違いなくタイトル争いに戻ってくるという未来を証明している。