1日夕方。フェイスブックに投稿された。
「集団感染しているクルーズ船、コスタ・アトランチカ号に向けて稲佐山がライトアップするそうです! 皆の祈りや思いが届きますように」
長崎市の稲佐山山頂の電波塔が1日午後9時、オレンジ色に照らされた。
長崎商工会議所青年部の提案で長崎市は毎日、クルーズ船の乗組員を励まそうと30分間、ライトアップしている。オレンジは船の煙突の色。4日からマークの青色も加わった。知らせたのは、外国人観光客へ美容・健康関連サービスを英語で提供する事業「NAGASAKI WELLNESS」のフェイスブック。事業を手掛ける有永洋子さんが稲佐山の写真と英文とともにアップした。
投稿に、乗組員を含む関係者とみられる人たちから感謝の言葉が寄せられた。
「長崎の人々に本当に感謝しています。コスタ・アトランチカ乗組員より」
「長崎の支援、もてなし、祈りに感謝しています。一生忘れません」
「肩を貸してくれて、手を差し伸べてくれてありがとう長崎」
「長崎の親切さに感謝してます」
有永さんは全員に返信した。
「こちらこそ親切な言葉をありがとう」
「心は共にあります」
「無事を願っています」
有永さんによると、この投稿に対するアクセス数が通常の100倍以上に上り、クルーズ船関係者を中心に約30のシェアと約70の「いいね」があった。予想以上に拡散され「乗組員に向けてのライトアップだから伝わったようで良かった」。
終末期ケアに携わった経験がある有永さんは「意図しない出来事で不安な今は、『がんばって』と声を掛けるより、『祈っているよ』と寄り添う方が癒やされると思う。帰国するまで発信を続けたい」と語る。