職員室「3密」どう防ぐ 「対応にばらつき」の声も

約40人が集まる朝の職員室。朝会が終わると、教諭らはそれぞれの控室へ移動した=長崎市、長崎北高

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため休校となっていた長崎県の県立校の再開が11日に迫る。分散登校など生徒の「3密」対策が進む中、先生たちの「3密」への対応はどうなっているのか。学校現場を訪ねた。
 「それでは朝会を始めます」。8日午前8時15分、マスク姿の教諭約40人が集まった県立長崎北高(長崎市小江原1丁目)の職員室に、長池一徳教頭の声が響いた。やや早口で事務連絡を伝え、8分ほどで終了。「いつもより長かったかも」と苦笑する。土日を挟むため、この日が休校最終日。朝会が終わると、多くの教諭が職員室を後にし、体育教官室や理科準備室、図書室、空き教室などに分散して業務を始めた。「3密」防止策だ。
 在籍している教諭のうち、通常だと約50人が集うという同校職員室。同校は休校期間中、教諭が交代で在宅勤務をし、毎日10人程度が家で生徒向けのプリント作成や課題研究に取り組んだ。人数を減らしても朝会では「密」が発生してしまう。窓を開放して換気をし、なるべく短時間で終わらせることを心掛けたという。
 一方、別の高校に勤める40代の女性教諭は「休校中、ずっと職員室が3密状態で不安だった」とこぼす。毎日30人ほどが出勤し、在宅勤務をする同僚も少なかったという。
 県教委は4月の休校開始に合わせ、在宅勤務を導入するよう各校に通知。しかし、女性教諭が在宅勤務を勧められたのは、それから約1週間後。「学校によって対応がばらばら。生徒は自宅で我慢しているのに、大人として示しが付かない」とため息を漏らす。
 学校再開で教諭たちの「3密」はどうなるのか。長崎北高の林田誠一校長は「授業が始まれば、休校の時と比べて教諭が職員室にいる時間は少なくなる」と話す。再開後も、教諭らの控室の分散を続ける考えだ。
 段階的にだが、学校現場に日常が戻ってくる。同校の立山秀昭教諭(46)は「新型コロナや学習の遅れ、進路などで悩む生徒も多いと思う。それぞれ対策を講じて、少しでも不安を取り除いていきたい」と力を込めた。


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