守ったポジションは1つだけ! 「本業一筋」の選手たち

先日、ゴールドグラブ賞8度の名三塁手スコット・ローレンのキャリア成績を眺めていたときに、ローレンがキャリアを通して三塁しか守っていないことに気が付いた。そこで「本業一筋」の選手のなかで各ポジション最多出場の選手は誰なのか、という疑問を抱いた。以下はそれを調べてみた結果である。

リサーチにはBaseball-ReferenceのPlay Indexを使用。そのため古いデータには一部、不完全な部分がある。また、ローレンは指名打者での出場すら1試合もない(三塁のほかは代打が23試合あるだけ)が、ここでは「本業」以外に指名打者での出場は可とした。リサーチの結果、「本業一筋」の各ポジション最多出場の選手は以下のようになった。

捕手
A・J・ピアジンスキー 捕手1936試合・指名打者32試合
(現役最多:カート・スズキ 捕手1397試合・指名打者37試合)

一塁手
フレッド・マグリフ 一塁2239試合・指名打者174試合
(現役最多:ポール・ゴールドシュミット 一塁1229試合・指名打者7試合)

二塁手
ルー・ウィテカー 二塁2308試合・指名打者32試合
(現役最多:ルーグネッド・オドーア 二塁797試合・指名打者11試合)

三塁手
スコット・ローレン 三塁2023試合・指名打者0試合
(現役最多:ノーラン・アレナード 三塁1021試合・指名打者2試合)

遊撃手
デレク・ジーター 遊撃2674試合・指名打者73試合
(現役最多:エルビス・アンドルース 遊撃1599試合・指名打者21試合)

左翼手
クリス・デービス 左翼500試合・指名打者354試合
(現役最多:同上)

中堅手
ブライアン・マクレー 中堅1307試合・指名打者19試合
(現役最多:バイロン・バクストン 中堅386試合・指名打者3試合)

右翼手
ハリー・ラムリー 右翼700試合・指名打者0試合
(現役最多:フランミル・レイエス 右翼161試合・指名打者48試合)

リサーチの結果、「指名打者のみ」で通算10試合以上に出場した選手は見当たらなかった。メジャーの歴史に残る指名打者として名を残している選手も、多かれ少なかれ守備には就いているのである。また、投手は歴代最多登板(1252試合)のジェシー・オロスコが1986年に1試合だけ右翼の守備に就いているため、歴代2位の1178試合に登板したマイク・スタントンが最多となる。

今回のリサーチを行うきっかけとなったローレンは、2000試合以上で三塁の守備に就き、なおかつ指名打者での出場が1試合もないという異例のキャリアの持ち主だった。アメリカ野球殿堂入りの記者投票では、初年度から10.2%→17.2%→35.3%と着実に得票率を上げており、数年後の殿堂入りが期待されている。

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