30分以内に結果が分かる抗原検査キットを13日にも承認 PCRと併用で検査数増加見込む

厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染しているかを短時間で調べられる「抗原検査」キットを、13日にも薬事承認させることを固めた。PCR検査と併用させ、検査件数の増加につなげる考え。

咽頭ぬぐい液を検体とすることは変わらず PCR検査と併用

抗原検査は、ウイルスを形づくるたんぱく質を直接検出する方法で、インフルエンザウイルスの検査などにも広く使われている。来週にも「富士レビオ」が4月27日に申請した抗原検査キットを承認する見通しだ。同社の製品は、インフルエンザやB型肝炎などのウイルス検査製品で実績がある。この検査キットは、鼻やのどの奥をぬぐって検体とすることは変わらないが、PCR検査との違いはその後。検体を検出機器に投入することなくその場で検査でき、10~30分程度で結果が出る。ただしPCR検査と比べると精度が低く、ウイルスを検出できない可能性もある。

そのため厚生労働省では、抗原検査で感染が確認できなかった場合でも補完的にPCR検査を行い、見落としを防ぐ考え。つまり基本は抗原検査とし、陰性確定のために抗原検査に加えてPCR検査を行うダブルチェック体制とする構えだ。また、重症と思われる疑い例にも、抗原検査を行えば短時間で結果が出るため、早期対応が可能と踏んでいるもようだ。

富士レビオ社は、薬事承認されれば週20万検査分を国内で生産する見込みで、需要に応じ生産規模の拡大も検討する。抗原検査キットは中堅化学のデンカも開発を進めており、厚生労働省は各社に開発や増産を促すことで、早期に週40万件の検査態勢を目指す。

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